数字の報告に、言えることと言えないことを添えよう
結果と解釈を分けた、誤解されにくい報告を作る。
キャラと考える
マリーネ(質問係)問合せが50%増えたなら、広告が成功したと報告していい?
ウェーブ(説明係)まず増えた件数を言おう。日数や広告量も違うから、原因まで一緒に決めないよ。
この仕事の約束
数字の報告を「観測したこと」「比べる条件」「まだ言えないこと」の三つに分ける。問い合わせは受注や売上ではない。対象期間が長い今回の合計を、同じ期間の改善率のように書かない。
数字の図から報告文へ進む時は、矢印を原因の証明にしない。この例では、件数の差と一日平均の差を別に計算し、広告だけの効果を示す証拠は無いと説明しよう。

番号つきの材料
行番号は先頭の番号で、表の見出しは数えません。
答えの行番号は、表の左端にある01〜15です。先頭の列名は行数へ含めません。
表は左右に動かして、右端まで読めます。
| 行番号 | 期間 | 観測日 | 問合せ件数 | 条件 |
|---|---|---|---|---|
| 01 | 前回 | 1日目 | 2 | 通常の広告量 |
| 02 | 前回 | 2日目 | 4 | 同じ問合せ定義 |
| 03 | 前回 | 3日目 | 3 | 受付済みの件数 |
| 04 | 前回 | 4日目 | 5 | 同じ窓口で数える |
| 05 | 前回 | 5日目 | 1 | 重複連絡は一件 |
残り10行の表を開く
表は左右に動かして、右端まで読めます。
| 行番号 | 期間 | 観測日 | 問合せ件数 | 条件 |
|---|---|---|---|---|
| 06 | 前回 | 6日目 | 5 | 前回の集計最終日 |
| 07 | 今回 | 1日目 | 4 | 広告量を増やした |
| 08 | 今回 | 2日目 | 2 | 同じ問合せ定義 |
| 09 | 今回 | 3日目 | 6 | 受付済みの件数 |
| 10 | 今回 | 4日目 | 3 | 同じ窓口で数える |
| 11 | 今回 | 5日目 | 5 | 重複連絡は一件 |
| 12 | 今回 | 6日目 | 1 | 受付済みの件数 |
| 13 | 今回 | 7日目 | 4 | 前回より長い期間 |
| 14 | 今回 | 8日目 | 5 | 今回の集計最終日 |
| 15 | 共通 | 条件メモ | 受注件数はまだ集計していない |
行番号,期間,観測日,問合せ件数,条件 01,前回,1日目,2,通常の広告量 02,前回,2日目,4,同じ問合せ定義 03,前回,3日目,3,受付済みの件数 04,前回,4日目,5,同じ窓口で数える 05,前回,5日目,1,重複連絡は一件 06,前回,6日目,5,前回の集計最終日 07,今回,1日目,4,広告量を増やした 08,今回,2日目,2,同じ問合せ定義 09,今回,3日目,6,受付済みの件数 10,今回,4日目,3,同じ窓口で数える 11,今回,5日目,5,重複連絡は一件 12,今回,6日目,1,受付済みの件数 13,今回,7日目,4,前回より長い期間 14,今回,8日目,5,今回の集計最終日 15,共通,条件メモ,,受注件数はまだ集計していない基本の数の表をCSVで保存この教材の番号つき材料をTXTで保存
基本の依頼と答え
前回と今回の問合せ合計、単純な増加件数と増加率、一日平均を出してください。平均は小数2桁、丸める前の分数も残してください。期間と広告量の違い、受注未集計を添え、広告だけの効果や売上の増加と断定しないでください。基本の答えと計算の根拠を見る
前回01〜06行目:2+4+3+5+1+5=20件/6日。今回07〜14行目:4+2+6+3+5+1+4+5=30件/8日。差は10件、単純増加率は(30−20)/20=50%。
一日平均は20/6=3.33件、30/8=3.75件。前回の平均は割り切れないため、小数2桁への四捨五入と分数20/6を残す。
言えること:渡された記録の合計は20件から30件へ増えた。
条件:今回は2日長く、広告量も増えている。問合せの定義は同じ。
言えないこと:広告だけの効果で50%改善した、受注や売上が50%増えたという結論。15行目は条件メモなので、0件の日として平均へ含めない。01〜06行目の20件/6日と07〜14行目の30件/8日を分け、観測日の数をそろえたことにしない。
07行目の広告量変更と13・14行目の追加日を条件として報告する。
15行目は受注未集計のメモで、問合せ件数の0ではない。
この4点を確認しよう
職種を変えて試す
事務:名刺の配布枚数を前回と比べる
01 前回の7日分は合計24枚。
02 今回の8日分は合計36枚。
03 今回は交流会の開催が一回多い。
04 配った枚数で、人の数ではない。
05 同じ人へ予備を渡した場合も含む。
06 名刺交換後の相談数はまだ数えていない。
07 付属表で日ごとの記録を確かめる。
08 目標の受注数へ勝手に言い換えない。
09 名刺の追加注文をAIへ頼まない。
10 報告先には日数も伝える。増加率と日数の条件を添えた報告を3行で作ってください。名刺配布枚数を見込客の人数に変えないでください。事務:名刺の配布枚数を前回と比べるの答えを見る
01・02行目から12枚増、(36−24)/24=50%増。前回7日、今回8日で03行目の交流会回数も違う。04〜06行目から「見込客が50%増えた」「相談が増えた」とはまだ報告できない。マーケティング:広告費と問合せを同じ報告に置く
01 1日は広告費2,000円、問合せ3件。
02 2日は3,100円、2件。
03 3日は1,700円、4件で既存の紹介も含む。
04 表の問合せには広告以外の入口がある。
05 催事や別の告知がある日も混ざる。
06 受注や購入金額はこの表にない。最初の3日で確認できる件数と、広告効率としてまだ計算できないことを分けてください。全問合せを広告成果とみなさないでください。マーケティング:広告費と問合せを同じ報告に置くの答えを見る
01〜03行目の問合せは計9件、広告費は6,800円。ただし03・04行目の紹介等を含むため、6,800/9を広告だけの獲得単価とは呼ばない。05・06行目の条件から、広告が売上を増やしたとの結論も出せない。人事:募集回ごとの応募件数を説明する
01 A回の7経路は合計15件。
02 B回の8経路は合計21件。
03 Aは一週間、Bは九日間の受付。
04 Bには合同相談会の経路が加わった。
05 募集職種は同じだが告知文は異なる。
06 面接や採用の結果はここにはない。A/Bの応募件数の差と比較条件を説明してください。採用が増えたとは書かず、募集文の効果と決める前の質問を一つ挙げてください。人事:募集回ごとの応募件数を説明するの答えを見る
01・02行目は6件増、単純増加率40%。03〜05行目で期間・経路・告知文が違うため、募集文だけの効果とは決めない。06行目から採用数の増加も不明。まず同じ受付期間/経路にそろえた数が出せるかを確かめる。自分の仕事用の依頼
【数えた指標】の報告を作ってください。前回の期間は【前回期間】、今回の期間は【今回期間】です。元の表から件数・差・増加率を出し、【変わった条件】を併記してください。材料にない成果や原因は断定せず、【報告先】へ確認する問いを一つ付けてください。応用と失敗の直し方
要点だけを頼む
前回20件/6日、今回30件/8日の事実と、断定できないことを2文でまとめてください。根拠まで詳しく頼む
15行のどこを集計したかを列挙し、合計・単純増加率・一日平均の式を残してください。広告量/期間/指標の定義を比べ、原因を調べるには何の追加資料が必要かを短く提案してください。つまずいたら、こう直す
- 集計日数を数えず平均を出す:条件メモ15を一日分へ入れない。前回6日/今回8日を数え直し、20/6と30/8の式へ戻す。
- 増加を全部広告の効果とする:合計が増えた事実だけを本文へ残す。広告量と2日の期間差を併記し、原因の判断は別にする。
- 問合せを受注や売上と書き換える:15行目は受注を数えていない。報告の指標名を問合せへ戻し、受注の記録がない限り成果の文を足さない。
上司やお客さんに伝えるなら
説明するときの文
合計だけを示すと、日数が違うのに同条件で伸びたように受け取られます。今回は日別の14記録と条件メモをAIに読ませ、事実と判断を分けた報告を作ります。期間と平均の式が残り、増加率の意味を会議で説明できます。担当が前回6日/今回8日と問合せの定義を元の記録で確かめます。広告の効果を判断する前に、同じ日数と経路で比較する資料を追加するか決めてください。
会議で見せる3行
事実:20件/6日から30件/8日、合計は10件増。
条件:今回の広告量と集計日数は異なる。
未判断:広告だけの効果、受注や売上への影響。Claude Code・Codexで使う
Claude Code・Codexにmaterial-072.csvを指定し、件数行と条件メモを別に読むよう頼む。 集計対象の行番号と式をreport-072.mdへ残し、元CSVを保存する。 20/6のように割り切れない平均は元の分数と表示の桁数を一緒に記録する。 新しい資料を追加したら、古い報告の原因の文だけでなく集計期間も見直す。
材料の渡し方と答えの見方の図を見る


今日の記録
任せた仕事:
渡した材料:
自分で確認・修正したところ:
次の依頼へ足す一文:
材料の行と、答えに書いた説明の対応表
| 材料の行 | 答えに書いた説明 |
|---|---|
| 01〜06 / 07〜14行目 | 01〜06行目の20件/6日と07〜14行目の30件/8日を分け、観測日の数をそろえたことにしない。 |
| 07 / 13・14行目 | 07行目の広告量変更と13・14行目の追加日を条件として報告する。 |
| 15行目 | 15行目は受注未集計のメモで、問合せ件数の0ではない。 |
