企業向けのマーケティング手法7つとその成功事例を解説

10期生
企業向けのマーケティング手法7つとその成功事例を解説

新しく企業向けのマーケティング担当者になった方の中には、以下のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

  • 何をすればいいかわからない
  • どのような手法があるか知りたい
  • 成功事例を参考にしたい

本記事では、企業向けマーケティングの基礎知識、リード(見込み顧客)の獲得プロセス、手法と成功事例についてご説明していきます。この記事を読んで、企業向けマーケティングの理解を是非深めていただければと思います。

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企業向けマーケティングの基礎知識

B2Bと書かれた積木

企業向けマーケティングとは、企業対企業の取引を円滑かつ戦略的に進めるための仕組みづくりや一連の活動のことで、一般的にはBtoB(B2B)マーケティングと呼ばれることが多いです。

企業向けの他に、消費者向けマーケティング = BtoC(B2C)マーケティングがあります。

消費者向けマーケティングとの違い

企業向けと消費者向けのマーケティングには、概ね以下のような特徴の違いがあります。

※商材によっては、違いがほとんどないこともあり得ます。

項目 企業向け(BtoB) 消費者向け(BtoC)
商材 消費財・資本財・生産材 消費財(完成品)
商材の利用者 購入者とは限らない 購入者であることが多い
商材の単価 高い 低い
商材購入までの検討期間 長い 短い
商材購入時の意思決定者 社長や管理職などの決裁者(複数人) 購入者本人(基本的に1人)

企業向けのマーケティングは、商材の単価が大きく継続的な受注を得られるというメリットがあります。
また、一度にたくさんのお金が動くため、品質や信頼性が非常に重視されます。したがって、長い時間をかけて関係性を築きながら成約を目指すことが重要と言えるでしょう。

企業向けマーケティングの重要性が高まっている背景

企業向けのマーケティング活動が重要となった背景には、インターネットの普及があります。インターネットが普及する前は、売り手側のアプローチ方法としてテレアポや飛び込み営業、DM送付などが主な手法でした。一方の顧客側は情報を “待つ” 、それが基本です。

ところがインターネットが普及すると、顧客側は売り手側からの情報を受け取る前にWebを介して自ら情報を ”探す” ことが可能となりました。更に、より良質な商材や企業を求めて比較・検討を行うことができるようになったため、売り手側としてはWebを利用しいかに早く情報を届けるかが勝負です。

このような背景から、企業向けのマーケティング活動が重要視されるようになりました。

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企業向けマーケティングのプロセス

企業向けマーケティングのプロセス

企業間の取引においては、組織単位での合理的な判断を経て受注となるため、意思決定者が複数存在し検討期間が長くなる傾向にあります。それ故、企業向けマーケティングでは受注できそうなリードをどう獲得するか、またリードをどう育成していくかが重要です。

【用語解説】
リード:マーケティング用語で「見込み客」のことで、自社の製品やサービスを購入する前の、将来の取引相手となり得る顧客を意味します。

リードジェネレーション

リードジェネレーションとは、リード(見込み顧客)を獲得するための活動のことです。
大切なのは、自社の商品やサービスに興味を持ったリードであり、ただ闇雲にリードを獲得すれば良いということではありません。

この後のステップである、リードナーチャリング・リードクオリフィケーションにパスし、更には商談化・受注に繋げていく必要があります。

リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、リードジェネレーションで獲得したリードを育成する段階です。リードへの継続的なコミュニケーションを行うことにより信頼関係を構築しながら、購入意欲を高めていく活動を指します。

リードジェネレーションにより獲得したリードは、すぐに購入に至るとは限りません。また、せっかく獲得したリードを放置してしまっては、競合に獲られてしまうことも考えられます。

そこで、これまで獲得してきたリードに対して、有益な情報提供を続けながら、見込み度合いを上げ、検討タイミングが来るまで関係を繋ぎます。

リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションとは、リードナーチャリングの段階から特に購買意識の高い顧客の選別を行う活動で、マーケティング施策の最終ステップとなります。リードクオリフィケーションの後は営業部門に渡り、商談へ繋げる流れが一般的です。確度の高いリードを抽出することができれば、効率的な営業活動が可能となるでしょう。

企業向けマーケティングの手法7つ

methodと書かれたメモ

では、企業向けマーケティングではどのような手法があるのでしょうか。ここでは、インターネット普及後に主流となった、Webを活用した以下のマーケティング手法7つについて説明していきます。

No. 企業向けのマーケティング手法 リードジェネレーション リードナーチャリング リードクオリフィケーション
1 コンテンツマーケティング
2 ホワイトペーパー
3 SNSマーケティング
4 Web広告
5 セミナー・ウェビナー
6 メールマーケティング
7 MA(マーケティングオートメーション)

1. コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、自社メディアでユーザーにとって魅力的なコンテンツを発信することで、リードを獲得・育成し購入などの成果へとつなげるマーケティング手法のことです。

魅力的なコンテンツを作成できれば、リードが製品やサービスを自ら調査し他社比較する段階で、自社の存在を効果的にアピールすることができます。また、比較的低予算で始めることができ、コンテンツが資産として蓄積されることもメリットの1つです。コンテンツマーケティングについての詳しい内容は以下の記事でもご紹介しています。

2. ホワイトペーパー

企業向けマーケティングにおいて、ホワイトペーパーとは一般的に企業がリード獲得のために提供するダウンロード資料のことを指します。ホワイトペーパーには、自社製品の機能やサービスの内容、保有するデータやノウハウなどの情報が掲載されます。

それらの情報が無料で手に入る一方で、提供する企業側はダウンロード時に会社名、メールアドレス、担当者名などを入力してもらうことによりリード情報を獲得することができます。

3. SNSマーケティング

SNSマーケティングとは、SNSを用いて市場調査や認知度の向上、ブランディング強化を図り、リードの獲得・育成に活かすマーケティング手法です。企業のSNS運用と言えば、企業向けよりも個人消費者向けをイメージする人も多いかもしれません。

しかし、今や年齢・性別・役職などに関わらず多くの人が何らかのSNSを利用している(※)ため、BtoB企業であってもSNSマーケティングを活用できます。

※特に10代〜40代の世代でのSNS利用率が9割前後に達しています。

効果的なSNS運用の仕方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

4. Web広告

Web広告は、インターネット上に存在する広告枠で自社の商品やサービスを掲載するマーケティング手法です。リスティング広告やバナー広告、SNS広告などWeb広告と言えば、主な配信対象は「一般消費者」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

企業向けに特化したWeb広告の場合は、企業を対象とした法人サービスを提供するメディア・ツールに広告配信することが可能です。企業向けにWeb広告を活用する場合はターゲットを明確にし、何の媒体に出稿するかを十分に検討することが重要です。

【用語】

  • リスティング広告:GoogleやYahoo!などで検索した際に検索結果上部に表示されるテキスト広告のこと。
  • バナー広告:Webページの閲覧時に画面の端に表示される画像や動画、GIFアニメーション等を用いた広告のこと。
  • SNS広告:LINE、Twitter、Facebook、Instagram、TikTokといったSNSプラットフォームに配信する広告のこと。

広告運用について学びたい方は本もおすすめです。こちらの記事ではリスティング広告の勉強に役立つ本を紹介しています。

また、SNS広告の中でもFacebook広告は実名制であるためターゲティングの精度が高いです。これからFacebook広告を運用しようと思っている方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

5. セミナー・ウェビナー

セミナー・ウェビナー(Web上でのセミナー)では、開催時に明確な目的やテーマを設定するため、その分野に対して興味関心が強い人を一度に多く集めることができます。参加時にメールアドレスなどの個人情報が手に入るためリードの獲得が可能で、内容が充実し満足度が高ければ既存リードの育成にも繋げることができます。

6. メールマーケティング

企業向けのメールマーケティングとは、獲得したリードや既存顧客とメールを用いてコミュニケーションを図るマーケティング手法です。メールマーケティングには主に以下の種類があります。いずれも最適なコンテンツを最適なタイミングで送ることが重要です。

メルマガ配信

顧客に対し同一の内容のメールを定期的に一斉配信することでリードとの接点を持ち続けられる。

ステップメール

会員登録などのアクションの後に自動配信し、ユーザーの興味関心が高いうちに次のアクションを促す。

ターゲティングメール

セグメント分析を行った後に、特定のセグメントやユーザー層に対してヒットしそうな内容のメールを配信することで、メール効果をより高める。

リターゲティングメール

Webサイト訪問やメール開封、資料ダウンロード、イベント参加といった、リードの行動履歴をもとにメールを配信する手法で、興味関心が強いリードに対して最適なタイミングでメールを配信します。

7. MA(マーケティングオートメーション)

MAとは、リード獲得・育成に必要なマーケティング活動のあらゆるプロセスや煩雑な作業を自動化し、効率的な営業活動を支援するプラットフォーム、もしくはそれを実現するツールのことです。具体的には、以下のような機能があります。

【MAツールの主な機能(例)】

  • 自社の営業プロセスをモデル化し、見込み客や顧客の状況を可視化する
    ターゲットとなるリードを集めてリストを作成・管理する(リードジェネレーション)
  • メルマガ配信などの施策を実行し、ホットリードを育成する(リードナーチャリング)
  • リードを行動履歴に基づいてスコアリングし、優先度合を明確にする(リードクオリフィケーション)
  • 確度の高いリードの情報を抽出し、営業に渡す
  • メルマガ開封率、URLのクリック率、コンバージョン率など、キャンペーンの効果を測定する

引用:Adobe Marketo Engage | BtoB領域に有効なMA(マーケティングオートメーション)とは?

このように定量・定性の両面から効果測定することで、営業が適切なタイミングでリードにアプローチすることが可能になります。

その他のマーケティング手法についても知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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企業向けマーケティングの成功事例7つ

story of successと書かれたメモ

企業向けマーケティングのプロセス、代表的な手法についてご理解いただけたのではないでしょうか。ここでは、それぞれの手法における具体的な成功事例についてご紹介していきます。

No. 企業向けマーケティングの成功事例 企業/団体
1 コンテンツマーケティング 国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン
2 ホワイトペーパー SATORI株式会社
3 SNSマーケティング 株式会社デンソー
4 Web広告 ビジネスエンジニアリング株式会社
5 セミナー・ウェビナー ヴァイサラ株式会社
6 メールマーケティング 株式会社ビッグビート
7 MA(マーケティングオートメーション) 株式会社エルテス

1. コンテンツマーケティングの成功事例

国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパンのサイト画像

国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパンのスタッフブログ | 国際協力の現場から

寄付・募金で世界の子どもを支援する国際協力NGOであるNPO法人ワールド・ビジョン・ジャパンでは、リードをどのようにして獲得するかということが課題でした。そこで、スタッフブログでSEOも意識したコンテンツマーケティングに注力したところ、1年目から大きな成果を挙げることができました。

項目 コンテンツマーケティング実施前比
1年目 3年目
ブログ経由のサイトへの訪問者数 15倍増 136倍増
ブログ経由のCV数 6倍増 40倍増

また、「食糧問題」「ヨーロッパ難民」などの検索キーワードで上位1位を獲得しています。国際協力に関心を持つリードに対し、コンテンツマーケティングが同団体の認知度の向上に大きく貢献していると言えるでしょう。

【用語解説】
SEO:Serch Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略。
Googleなどの検索エンジンで検索した結果の画面で、上位に表示されるようにWebサイトの構成や記述を調整すること。

詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
SEO対策って一体何なの?初心者でもわかるように解説します!

CV:マーケティングにおける重要な指標で、conversionの略。
Webサイトに来訪したユーザーが会員登録や購入など利益につながるアクションをすることで、企業毎に方針や施策次第で異なる。

同団体の事例では、弊社WEBMARKSがコンテンツマーケティングやSEO対策などについて内製化支援を行いました。現役のSEOコンサルタントが8週間で徹底的にノウハウをお伝えするので、即戦力としてコンテンツマーケティングを行う担当者を育成することが可能です。

内製化は外部委託に比べ、コスト削減が可能で社内にノウハウが蓄積されるメリットがあります。興味がありましたら以下よりお問合せ下さい。

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2. ホワイトペーパーの成功事例

マーケティングオートメーションツール SATORI | お役立ち資料

マーケティングオートメーションツール SATORI | お役立ち資料

MAツールである「SATORI」のサイトでは、お役立ち情報として自社製品の紹介から企業向けマーケティングに役立つハンドブックまで多岐にわたるホワイトペーパーを掲載しています。そのため、顕在層はもちろん潜在層に対しても効果的なアプローチが可能となり、リードの獲得・育成に繋げています。

3. SNSマーケティングの成功事例

株式会社デンソー | 公式インスタグラム

先進的な自動車技術、システム・製品を提供するグローバルな自動車部品メーカーであるデンソーの公式インスタグラムでは、社員にスポットを当てた投稿や、事業を画像や動画とともに紹介する投稿でファンを増やし続けています。2022年11月時点で1.5万人のフォロワーを獲得しています。

また、投稿には日本語と英語の両方を載せることでリードの獲得と育成をグローバルに展開しています。

4. Web広告の成功事例

ビジネスエンジニアリング株式会社

ビジネスエンジニアリング株式会社

ビジネスエンジニアリングは、製造業を中心に企業情報システムの企画、コンサルティング、構築から導入・運用保守までトータルに経営革新を支援する会社です。同社はリスティング広告の出稿を社内で運用していましたが、思うような成果が出ませんでした。

そこで広告代理店に委託しリターゲティング広告を出稿するようにしたところ、大きな成果が出始め、リスティング広告も委託した結果、これまでの10倍ものCVを獲得できました。この事例では、自社運用ではなくプロである広告代理店に委託することで成果に大きな差が生じたことがわかります。正確な現状分析やターゲティングを行うことで、リード獲得に繋がります。

【用語解説】
リターゲティング広告:一度Webサイトを訪れたユーザーを追跡して表示する広告。商品やサービスに対してに興味や購買意欲があるユーザーへ再アプローチすることで、CVにつなげる手法。

ターゲティング:市場を細分化し、ターゲットを絞り込んでマーケティング戦略を立てること。

5. セミナー・ウェビナーの成功事例

ヴァイサラ株式会社 | イベント&ウェブセミナー情報

ヴァイサラ株式会社 | イベント&ウェブセミナー情報

ヴァイサラは、環境計測および産業計測の分野における世界のリーディング企業です。
年12回程度ウェビナーを開催し、ライブ配信内容を録画編集したコンテンツをライブラリ化しました。その結果、良好な関係を築くことができた顧客のうち30%がウェビナーを受講していることが分かりました。

ウェビナーによりリード獲得・育成を実現し、成約数の向上にも結び付いた成功事例です。

6. メールマーケティングの成功事例

株式会社ビッグビート

株式会社ビッグビート

ビッグビートは、BtoB企業のマーケティングコミュニケーション支援を行う広告会社です。元々、セグメント分けすることなくリード向けにメルマガを配信していました。その後セグメント分けした上で配信を始めた結果、メルマガ経由でのイベント特設サイトへの訪問件数が1.5倍以上に増加したという成果が現れました。

リードの興味・関心に合わせた内容を配信することで、リードとの良好な関係を築くことができ、メール一つでもしっかりと事業貢献に繋がることが証明された事例です。

7. MA(マーケティングオートメーション)の成功事例

株式会社エルテス

株式会社エルテス

エルテスは、「デジタルリスクと戦い続ける」という信念のもと、企業が抱えるデジタルリスクを解決するためのサービスを提供しています。同社は事業拡大のため、顕在層だけではなく潜在層にアプローチするためにMAツールを導入していましたが、リソースやノウハウが不足していたことによりMAツールを十分に使いこなすことができずにいました。

そこで、現状の課題を洗い出した上でMAツールで何ができるのかを再確認後、リードの定義や動きを分析しました。MAツールを有効活用できるようになってからはメルマガやホワイトペーパー、セミナーといった施策を展開。その結果、昨対比で獲得リード件数が138%アップすることができました。

リード獲得後、効率よくその後のマーケティング活動や営業活動に進めることができたと言います。

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事例を参考にして企業向けマーケティングを成功に導こう

事例を参考にして企業向けマーケティングを成功に導こう

この記事では、企業向けマーケティングの基礎知識や手法、成功事例についてご紹介してきました。これまで企業向けのマーケティング活動を行った経験が無い企業の場合、その必要性が感じられないこともあるかもしれません。

しかし、この記事でご紹介したようなマーケティング手法を取り入れることによって、より安定的にリードを獲得できるようになり、商談や成約まで効果的に営業活動していくことが可能になります。

企業向けのマーケティング活動にはご紹介した手法以外にも様々な種類が存在するため、自社に合った手法を継続していくことで長期的に成果が出せるようになっていくでしょう。

 

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この記事を書いた人
橋本貴裕
立命館大学卒業後、金融系の汎用機エンジニアを経てAWSインフラエンジニアに転向。自由な働き方とやりがいを求めてWEBマーケティングを学ぶ。クライアント様に寄り添い"一点もの"の提案ができるよう、丁寧に取り組んでまいります。10期生。
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