インハウスSEOにおいて、重要なのが戦略の立案です。
「戦略ってどうやって立案するの?」「インハウスSEOって、何から始めればいいの?」というような、これからインハウスSEOに取り組もうと考えている方向けに戦略立案の手順とポイントを詳しく解説していきます。
この記事を参考に、それぞれの企業にあわせた戦略を立案し、戦略に基づいたインハウスSEO施策を進めましょう。
Contents
インハウスSEOとは?
「インハウスSEO」とは、SEOの内製化を意味します。つまり、SEOを専門業者に外部委託せずに、自社の社員で対応するということです。施策の立案からコンテンツ制作、Webサイト設計など様々な業務が発生します。
直訳すると、「インハウス」は「組織内」や「内製化」といった意味になります。「SEO」は「Search Engine Optimization」の略で「検索エンジン最適化」のことです。検索エンジン最適化とは、Webサイトへの流入を増やすために、Googleなどの検索エンジンで上位表示されるようにWebサイトを設計することを「SEO」といいます。
「インハウス」と「SEO」を合わせたのが「インハウスSEO」です。SEOとは?という方は、こちらの記事もおすすめです。
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インハウスSEOの業務内容
インハウスSEOで発生する業務内容としては、次のようなものがあります。それぞれ詳しく解説していきます。
- 戦略の立案
- 社内調整・体制の構築
- Webサイト設計
- コンテンツ制作
- 分析・改善
戦略の立案
戦略とは、どのようなユーザーをどのようなコンテンツで集客するのかということです。例えば以下のような項目は明確でしょうか。
- どのようなユーザーをターゲットとするのか
- どのような流入経路で集客するのか
- 自社サービスのアピールポイント
- 達成したい目標は何か
目標の設定では、Webサイトへのアクセス数や問い合わせ件数などを設定すると、インハウスSEOの効果が測りやすくなります。具体的な立案手順については、この後詳しく解説していきます。
社内調整・体制の構築
インハウスSEOでは、外注費のコストが削減される一方で、人件費やWebサイトの改修費、各種ツールの利用料などの費用がかかります。担当者についても、マーケティングのほかWebデザインや記事制作などの業務が発生するため、専任の担当者を確保できるとよいでしょう。
予算の確保やスケジュール調整など、社内でのインハウスSEOの体制を構築しましょう。
Webサイトの設計
ここからは実際にWebサイトの改善を行っていきます。SEOでは、Googleなど検索エンジンからの評価を上げることで検索結果の上位表示を獲得し、集客を行います。そのために、検索エンジンにとって理解しやすいサイト設計を行います。
主な内容としては、内部対策と外部対策の2つに分けられます。
内部対策
検索エンジンにコンテンツの内容を適切に伝えるために、タイトルタグやメタディスクリプションの改善を行います。また、サイトの表示スピードを改善したり、サイト内リンクを設置したり、ユーザーにとって使いやすいサイト設計を行います。
外部対策
外部対策では、被リンクの獲得を行います。被リンクとは、外部サイトに張られている自社サイトのリンクのことです。つまり、他社サイトで自社を紹介してもらったり、ユーザーのSNSで話題になったりした場合、そのサイトに自社のリンクが張られます。これが被リンクの獲得となります。
検索エンジンは被リンクが多いWebサイトを人気の高いWebサイトとして評価しています。良質なコンテンツであれば、結果として被リンクも増えていきます。
コンテンツ制作
戦略に基づき、集客するためのコンテンツを制作していきます。記事制作では、Webライターに依頼する場合もあります。ユーザーの検索意図に答えるようなコンテンツを制作しましょう。また、Googleは多様性を求めているため、独自性のあるページが評価されます。
分析・改善
SEO対策はコンテンツを制作して終わりではありません。重要なのは、分析と施策を繰り返してPDCAサイクルを回すことです。各種ツールを利用して、アクセス解析やユーザー分析などを行い、どのようなユーザーがどのような検索意図でWebページにアクセスしているのかを分析します。
分析結果からコンテンツのリライトやサイト設計の見直しなどを行い、ユーザーが利用しやすいWebサイトへと改善していきます。ユーザーにとって利用しやすいWebページは、検索エンジンからの評価も高くなり、検索結果の上位表示へと繋がるでしょう。
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インハウスSEOにおける戦略の立案手順
冒頭でもお伝えしたように、インハウスSEOにおいてまず行うことは戦略の立案です。戦略とは、どのようなユーザーをどのようなコンテンツで集客するのかということです。次のような作業を行い、コンテンツの内容や方向性を決定していきます。
- ターゲット設定
- 対策キーワード選定
- 現在の検索順位チェック
- ランディングページ(LP)調査
- 競合調査
調査には、様々なマーケティングツールが役に立ちます。マーケティングツールはこちらの記事を参考にしてみてください。
具体的な作業内容について、ひとつずつ解説していきます。
ターゲット設定
まずはどのような客層がターゲットとなるのかを明確にしていきます。自社の商品やサービスを届けたい相手、ニーズのあるユーザーはどんな方でしょうか。さらに、ターゲットとなる客層からペルソナを設定します。ペルソナは実際にいる人物のように、年齢、性別、住所、仕事、趣味、ライフスタイルなど具体的に設定します。
ペルソナを設定することでより具体的なユーザーの興味や行動がみえてきます。
対策キーワード選定
ターゲットが設定できたら、そのターゲットが検索エンジンで検索しそうなキーワードを選定します。関連するキーワードや類義語、同義語なども検討してみましょう。キーワード選定で大事なのは、ユーザーの検索意図を明確にすることです。
なぜユーザーはそのキーワード検索したのか、その背景も含めてキーワードを選定します。また、検索ボリュームもみてみましょう。検索ボリュームの少ないキーワードを選定してしまうとSEOの効果が表れにくい可能性があります。
現在の検索順位チェック
選定したキーワードにおける現在の検索順位をチェックしてみましょう。あるいは、検索順位をみながらキーワードを選定しましょう。Googleなどの検索エンジンの評価結果が現在の順位です。検索結果の順位によって、クリック率は大きく変わります。
検索順位 | クリック率 |
1位 | 13.94% |
2位 | 7.52% |
3位 | 4.68% |
4位 | 3.91% |
5位 | 2.98% |
6位 | 2.42% |
7位 | 2.06% |
8位 | 1.78% |
9位 | 1.46% |
10位 | 1.32% |
引用元:2021 CTR Research Study | The Largest Ever for SEO
検索結果の順位が1つ変わると流入率が大きく変わります。検索結果の上位表示を目指しましょう。
ランディングページ(LP)調査
ランディングページ(LP)とは、ユーザーが検索エンジンで検索したときに検索結果に表示され、ユーザーが最初にアクセスするページのことです。ユーザーに訪問してほしい対象となるWebページを選定しましょう。場合によっては新たに設計する必要もあるでしょう。
また、ランディングページの設計によって、ユーザーのとる行動も大きく違ってきます。訪問ユーザーがサイト内を回遊しやすく、商品の購入やサービスの申し込みに繋がるようなサイト設計に改善していきましょう。
競合調査
競合調査では、選定したキーワードで検索結果に上位表示されたWebサイトを調査します。検索結果に上位表示されたということは、Googleなどの検索エンジンが対象キーワードで検索したユーザーが求めている情報に最も適合していると判断したページが表示されています。
つまり、競合サイトからもユーザーの検索意図が読み取れます。ユーザーの求めている情報、上位表示されやすいサイト設計などを学びましょう。
また、競合調査の結果から独自の情報やアピールポイントを考えることができます。Googleは独自性のあるWebページを評価しています。競合サイトとの差別化を図り、上位表示できるWebページを作成しましょう。
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インハウスSEOにおける戦略のポイント
戦略を立てるときに注意しておきたいポイントを3つ紹介します。
- 費用帯効果を考える
- 中長期的な効果を測定する
- 検索順位は上昇するとは限らない
費用対効果を考える
インハウスSEOでは、社内の人件費やツールの導入に費用がかかります。コンテンツの制作やWebサイト設計の工期によっては、インハウスSEOより外注の方が費用を抑えられる場合もあります。コンテンツの内容は十分に検討しましょう。
中長期的な効果を測定する
SEOは一度の施策でWebサイトの評価が変わるわけではありません。継続的に施策を打ち、PDCAを回すことで評価が上がります。そのため、集客の効果が得られるまで少なくとも半年から1年程の期間はかかるといわれています。
インハウスSEOであれば、体制の構築やノウハウの蓄積など、さらに時間がかかることを覚悟しておきましょう。ただし、長期的にはインハウスSEOのメリットは高くなる傾向にあります。
検索順位は上昇するとは限らない
検索エンジンでの評価は必ず上がるわけではありません。検索エンジンの評価基準も随時アップデートされています。改善のために行った施策が検索順位を下げる可能性があることも意識しておきます。
重要なのは、どの施策によって検索順位が変わったのか切り分けができているか、ということです。結果に対する要因がわかるように、少しずつ施策を実行します。結果の分析を行い、データを蓄積します。
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インハウスSEOに向いている企業とは?
ここまで解説してきましたが、「インハウスSEOに成功するのかやっぱり不安だ」という方もいるのではないでしょうか。インハウスSEOに成功しやすい企業の特徴としては、次の2つが挙げられます。
- SEOの重要性が社内で理解されている
- 社内に専属のWeb担当者がいる
いざ取り組んでみても、なかなか結果がでない場合もあります。インハウスSEOは自社に向いているのか、ぜひチェックしてみてください。
SEOの重要性が社内で理解されている
インハウスSEOには効果が得られるまで時間がかかるため、長期的な視点で考えることが重要です。SEOの重要性やインハウスSEOのメリットが社内で理解されている企業はインハウスSEOに向いているといえます。
既にWeb集客に取り組んでいる企業や、SEO対策を外部のSEOコンサルタントに依頼している企業はスムーズに動けるでしょう。
社内に専任のWeb担当者がいる
インハウスSEOはマーケティングやコンテンツ制作など、様々な業務が発生するため、SEO専任の担当者の設置が必須です。既にWeb担当者やWebマーケターがいる場合も、インハウスSEOが成功しやすいといえます。
インハウスSEOの成功事例について知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。
インハウスSEOの支援ならWEBMARKS PLUS
これまでSEOの経験がない場合やこれから専任のSEO担当者を育てたい場合は、WebマーケティングスクールでインハウスSEOを学ぶという方法もあります。多くのスクールでは、無料で相談できるので、一度相談してみてはいかがでしょうか。
スクールの中でもSEO対策に特化した内容となっているのが、「WEBMARKS PLUS」です。「WEBMARKS PLUS」では、8週間でSEO担当者を育成できます。
動画講義によるインプットだけでなく、提案資料の作成や自社サイトを題材とする課題などにも取り組む内容となっているため、知識を付けながら自社サイトの改善も同時に行うことができます。
本記事では、インハウスSEOにおける戦略の立案手順とポイントを解説しました。
インターネット社会において、SEOはますます重要なマーケティング技術となるでしょう。一度インハウスSEOに成功すれば、継続的にその効果を得られます。それぞれの企業にあわせた戦略を立案し、インハウスSEOを成功させましょう。
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