今注目されているリスキリングとはどんなものか
デジタル化やAIの進化による「第4次産業革命」と呼ばれる社会の変化が、世界各地で進んでいます。
変化への対応が問われる中、注目されているキーワードが「リスキリング」です。
※経済産業省が発表した内容によりますと、「新たな学び直し」のことを指します。
最近でも、岸田総理の所信表明演説にてリスキリングの支援に5年で1兆円を投じると表明するなど、国としても力をいれている施策の一つです。
この記事では、リスキリングはどのようなものかやリカレントとの違い、メリットや企業事例を育成方法を交えて解説します。これからの参考にしてくれれば嬉しいです。ではご説明します。
\未経験・初心者から3ヶ月でプロのWebマーケター!/
Contents
似てる?リスキリングとリカレントの違い
リスキリングでは「企業が新しいスキルを従業員に身につけてもらう」ことに主軸が置かれている。一方、リカレントは「大学に入り直すなど、比較的自らの意思で別のスキルを身につける」ことに主軸を置かれているが、一般的に使われる中での双方の意味は若干違います。
しかし言葉の本来の意味としての違いはなく、新たなスキルを身につけていく過程という意味が共通しているため、大きな違いはないと言えます。
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リスキリングとは?
リスキリングとは、働き方の変化によって今後新たに発生する業務で役立つスキルや知識の習得を目的に勉強してもらう取り組みです。
特徴として以下の3つが挙げられます。
①社内で資格等の取り組みを行う事が出来る
会社に在籍しながらその企業が必要としているスキル・資格などを企業側が積極的に社員に取ってもらう方法
②年収upや活動範囲が広がる
- 手当(資格手当)で年収UPが期待出来る
- 未経験な事を行う事で個人・企業の成長UPに繋がる
③DXに対応するために、必要な知識とスキルの獲得を促す
AI・DX時代と呼ばれる今、さまざまな業界で積極的にAIやIoTといった最先端技術が活用され始めています。これらの技術が積極的に導入され始めている背景としては、少子高齢化に伴う人手不足が深刻化していることが挙げられるでしょう。
ただし、AIをはじめとする最先端技術を最大限活用するためには、従業員一人ひとりが常に新しい知識・スキルを身につけなければなりません。
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リカレントとは?
特徴として以下の3つが挙げられます。
①離職や休職をして学びなおす
リカレントとはざっくり説明したら、学校教育からいったん離れて社会に出た後も、それぞれの人の必要なタイミングで再び教育を受け、仕事と教育を繰り返すことです。
②ずっと学び続け、スキルアップや自己研鑽を行う
基本リカレントを行う際は一度仕事から離れて大学などの教育機関で学び直し、再度仕事に復帰するという仕組みのことを指します。
③転職にも利用価値がある
新しい知識や経験、資格を取る事より、自分が働いている会社で成果を出す事も可能ですが、新たに取得した資格を利用し転職して活動の幅を広げるにも良いチャンスと思います。
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リスキリングが企業や組織にもたらすメリット
リスキリングを行うメリットはたくさんあります。ここでは3つ紹介します。
①新たなアイデアや事業創出ができる
リスキリングを行うことで、従業員は新しいスキル・知識を習得することができます。そのスキル・知識の習得によって、社内に新しいアイデアが生まれやすくなることは大きなメリットになります。
リスキリングを上手く活用できれば、時代の移り変わりによって経営が悪化してしまうリスクを抑えることが可能になります。
また、社内に新しい風を吹き込むことができるというメリットもあるため、時代に合わせて進化していくことが求められる企業ほど、リスキリングを行うメリットは大きいといえるでしょう。
②業務の効率化が期待できる
業務効率化を実現できるという点も、リスキリングによって得られるメリットのひとつです。リスキリングによって従業員が獲得したスキル・知識をDXに活かしていくことで、よりスムーズに業務を遂行できるようになります。
従業員一人ひとりが効率的に業務を遂行できれば残業が減少し、従業員のワークライフバランスをとりやすくなり、日々の業務に対するモチベーション低下を防ぐことが可能です。当然、企業としても業務効率化によって「残業代の削減」というメリットを得られるため、従業員と企業の双方にとって大きなメリットとなります。
(残業代に関しては企業側からしたら大きなメリットはありますが、従業員側に関しては無理やり業務時間内で終わらせてしまい労働の増加やプレッシャーがあり、残業賃金が無くなってしまい給料の減少に繋がる恐れがあります)
③業務の効率化や生産性の向上につながる
社員のリスキリングによってDXが推進されると「作業の自動化」や「作業の工数も削減」が実現可能になってきます。作業を自動化することによって業務が効率化され、依存事業のさらなる拡大や新規事業開発にリソースを投資出来るようになります。
また、作業工程を削減出来れば、残業代の削減、社員のワークライフバランスの実現といった効果も期待できます。
(上記で説明しましたが、これは人によります。)
働き方改革が重視される中で、採用活動の魅力づけとしても有効なアピールになります。
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リスキリングを行う際の注意点
①全社的に取り組む必要がある
スキリングは、個々の従業員が行っても大きな成果は期待できません。個々の取り組みに留まってしまうと大きな業務変革が行いづらく、継続が困難で成果も見えづらくなるためです。
リスキリングは全社的に実施し、継続的な組織全体の能力の再開発につなげることが大切です。リスキリングを継続的な施策にするためには、インセンティブの付与や定期的な発表会といった施策が有効です。
②会社に適したコンテンツを選ぶことが重要
リスキリングを実施する際は、会社の事業展開や現状の課題、今後の市場の変化などに適したコンテンツを選択しましょう。誤ったコンテンツを選ぶと非効率的になるリスクが高まり、思ったような成果が得られません。同業他社の導入事例を参考にしても良いでしょう。
③従業員のモチベーションが維持される仕組みを作る
リスキリングに取り組む従業員の中には、途中でモチベーションが下がる人もいる。リスキリングは継続することで効果を発揮するため、以下のようにモチベーションが維持される仕組みを考えることが重要です。
- 同志を集めて取り組ませる
- インセンティブを用意する
- リスキリングによって成長していることを体感させる
リスキリングに取り組みたくなる仕組みを設ければ、従業員も続けられるようになります。
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リスキリングの導入事例
(出典:独立行政法人情報処理推進機構『DX白書2021-日米比較調査にみるDXの戦略、人材、技術-』)
※日本と米国での比較ではかなりの差があり、まだまだ日本は遅れを取っている状況。
リスキリングに取り組んでいる企業の状況
リスキリングの意味や取り組む意義・必要性について整理したところで、ここからは日本国内における企業・従業員のリスキリングの実施状況についてまとめます。
(出典:67.6%の即戦力人材が「リスキリング」を実施 9割以上が、将来的にリスキリングの必要性を感じると回答|株式会社ビズリーチ)
米国の先進事例
Amazon
2019年にAmazonは、「2025年までに7億ドルをかけて従業員10万人にリスキリングを行う」と発表しました。技術職以外の従業員を技術職に移すことや、デジタルスキルの習得を目指す研修の実施を行うとしています。
AT&Tの事例では、2008年の時点で「社員の4割に当たる10万人が今後の技術の進歩に対応するスキルを持っていない」と分析されてます。
オンラインでのプログラミングやWEB開発の研修、キャリア開発支援を進め、不要になる部署の統合やデジタル関連部署への異動を実施しました。
マイクロソフト
2020年6月に社外の人材2500万人に向けてリスキリングの機会を提供すると発表しました。新しい雇用機会を生みだし、リスキリングを促進することで、新型コロナウイルスによる経済的な打撃を緩和する試みです。
さらに、ほかの企業や団体との共同活動も進めており、リスキリングの取り組みは世界規模で展開されています。
日本の事例
出遅れを指摘されていた日本企業も、ここに来て動きが活発になっています。
大日本住友製薬
2021年から、全社員約3000人を対象にデジタル研修を実施。
コロナを機に、対面が中心だった病院への営業がオンラインに切り替わり、あらゆる業種や階層でデジタル技術が不可欠になってきたことが、全社員を対象にした背景にあるそうです。
三井住友フィナンシャルグループ
2021年に約5万人の全従業員を対象にした「デジタル変革プログラム」をスタートしています。
マインド、リテラシー、スキルの3段階に分かれた30本以上の動画を、自主的にオンラインで視聴する仕組みです。
「なぜデジタルを学ぶのか?」「デジタルとは何か?」「どうやって活用するのか?」という3つの問いに対する答えを、自ら考えてもらうように工夫されています。
オンラインのワークショップや応用コンテンツも用意し、学び続けることを促しています。
富士通
富士通では、社員全員が活躍できる社内DXを推進しています。
「データドリブン経営」「DX人材の育成」「生産性向上」「全員参加型・エコシステム型のDX」などをキーワードに、リスキリングに取り組んでいます。
デザイン思考やDX構想策定力などの新たなスキルや知識を学べるプログラムに加えて、実際のDXプロジェクトに参加する実践的な内容も組み込まれています。
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リスキリングでよく学ばれる職種・スキル
分野別のリスキリングにおすすめの資格は次の通りです。
プログラミング:VBAエキスパート、Pythonエンジニア認定試験、基本情報技術者試験
データ分析:データサイエンティスト検定、G検定、統計検定
関連する研修・資格はこちら
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リスキリング・AIの可能性について
リスキリングは様々な国の企業で活用されている。時代の移り変わりが激しい現代では、多くの企業にとって必要なことだと言えます。
従業員だけではなく会社全体にとっても、リスキリングに取り組むメリットは大きい。リスキリングを導入すれば組織に新しい風を吹き込むことにつながるため、業務内容を少しずつ変えていきたい企業に最適です。
しかし社内でリスキリングを実施するときは、正しいステップで行わなければ成功させるのは難しい。成功率を上げたいのであれば以下の5ステップを意識してリスキリングに取り組もう。
- ステップ①:業績や事業内容のデータを基に何を習得すべきか決める
- ステップ②:リスキリングのプログラムを考える
- ステップ③:リスキリングで使うコンテンツ(教材)を決める
- ステップ④:各従業員に取り組ませる
- ステップ⑤:習得したスキル・知識を実践で使ってもらう
今後はロボットに代替される業務が増えていく一方で、新たに生まれる業務もある。
新たに発生する業務に関するスキルをリスキリングによって身につけることで、既存の従業員の活躍の幅が大いに広がる。社内にリスキリングを取り入れて、時代にマッチした業務スキルを保有した従業員を増やしてほしいです。
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