【経営者必見】中小企業こそリスキリング!経営にもたらす効果を紹介

14期生
【経営者必見】中小企業こそリスキリング!経営にもたらす効果を紹介

デジタルトランスフォーメーション(DX)の急速な進展により、企業は新しいビジネス環境に適応していく必要性が増しています。

しかし、多くの経営者、特に中小企業の経営者は、下記のような課題や悩みを抱えているかと思います。

  • 業務のデジタル化を担う人材がいない
  • DX時代に備えた経営戦略を実行できていない

そこで、有効な方法と言われているのが「リスキリング」です。

リスキリングに取り組むことで業務を効率化させ、多くの中小企業の課題である人手不足の解消につながります。

また、AIなどのテクノロジーの発達による、ビジネス環境の変化に対応するためにも、リスキリングは有効な取り組みと言えます。

本記事では

  • リスキリングが中小企業にとって必要な背景
  • リスキリングにおける中小企業が抱える課題
  • 中小企業がリスキリングに取り組むことで得られる効果

について説明します。

リスキリングによって、業務効率化を実現させ、人手不足の課題を解決し、DX時代に適応した経営の事例を知ることで、DX時代を生き抜くための経営戦略の参考にしてください。

\未経験・初心者から3ヶ月でプロのWebマーケター!/

リスキリングが中小企業にとって必要な背景

交差点を渡る人々の様子

本項目では、リスキリングが中小企業にとって必要となる、以下の背景を説明します。

  • 衰退産業から成長産業へ移行できないと企業として存続できない
  • 企業がリスキリングに取り組まないことで意欲のある社員が離職してしまう可能性がある

1-1.衰退産業から成長産業へ移行できないと企業として存続できない

AIなどのテクノロジーの発達により、多くの仕事が消失すると言われています。

技術進化により、2030年までに日本の既存業務のうち27%が自動化される見込みであり、結果1,660万人分の雇用が代替される可能性がある。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの「The future of work in Japan」では、上記のように述べています。

(引用: マッキンゼー・アンド・カンパニー 『The future of work in Japan』)

例えば、紙媒体からデジタル媒体に置き換わることで、紙の印刷需要が減少し、印刷業を営んでいる企業は存続できなくなる可能性があります。

しかし、消失する仕事がある一方で、AIなどのテクノロジーに関連した産業において、新たな雇用も生まれています。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査では、デジタル産業の発展により、2030年の労働力需要は、供給を150万人程度上回り、供給が不足する、とも述べています。

例えば、ドローンは一昔前までは、一般的ではありませんでしたが、現在では市場規模が右肩上がりになると予測されています。

(出典: インプレス総合研究所)

(出典: インプレス総合研究所)

業務のデジタル化や、テクノロジーの発達などによるビジネス環境の変化に対応するためにも、自社の事業が衰退する可能性がある場合は、成長産業への移行も視野に入れる必要があるでしょう。

1-2.企業がリスキリングに取り組まないことで意欲のある社員が離職してしまう

社員が意欲的にリスキリングに取り組んでいる一方で、多くの企業では、リスキリングに取り組めていない状況となっています。

  • リスキリングに取り組むビジネスパーソンは67.6%
  • リスキリングに取り組む企業は26.3%

株式会社ビズリーチの調査で、上記のような回答が得られました。

(出典: 株式会社ビズリーチ『67.6%の即戦力人材が「リスキリング」を実施。一方で、リスキリングに取り組む企業は26.3%にとどまる』)➀ (引用: 株式会社ビズリーチ『67.6%の即戦力人材が「リスキリング」を実施。一方で、リスキリングに取り組む企業は26.3%にとどまる』)➁

さらに、95.0%のビジネスパーソンが、将来的に新たなスキルを身につける必要性があると回答しました。

(引用: 株式会社ビズリーチ『67.6%の即戦力人材が「リスキリング」を実施。一方で、リスキリングに取り組む企業は26.3%にとどまる』)③

(出典: 株式会社ビズリーチ『67.6%の即戦力人材が「リスキリング」を実施。一方で、リスキリングに取り組む企業は26.3%にとどまる』)

企業と社員のリスキリングへの取り組みに対する意識に差が生じることで、社員が離職する可能性が高まります。

新たなスキルを身につけて仕事の幅を広げたい、自分の市場価値を上げたいと、社員が思っていても、所属している会社で実現できる環境がなければ、他の環境へ移りたいと思うことは自然と言えるでしょう。

リスキリングによって、スキルアップをしたいと思っている社員ほど、時代の流れを理解し、将来を見据えて行動できる優秀な人材であると言えます。

優秀な社員を離職させない、定着率を高めるためにも、企業はリスキリングに取り組む必要があります。

\未経験・初心者から3ヶ月でプロのWebマーケター!/

リスキリングにおける中小企業が抱える課題

女性が男性にモニターを使って指導している様子

中小企業は大企業と比較して、「ヒト、モノ、カネ」の経営資源に限りがあります。

リスキリングに取り組む際にも、下記のような課題や制約があります。

  • 社員にデジタルスキルを身につけてもらうための費用、デジタルシステムを導入するための予算がない
  • 人材不足のため、リスキリングを行ってもらう社員を確保できない

Chartwork株式会社が実施した調査でも、デジタル化推進の課題として「金銭面のコストが大きい」が最多でした。

(出典:Chartwork株式会社『Chatwork、中小企業の経営・DX、リスキリングの現状と課題を調査』)

(出典:Chartwork株式会社『Chatwork、中小企業の経営・DX、リスキリングの現状と課題を調査』)

金銭面のコストと時間に関しては、著書「自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング」では、下記のように述べています。

  • 世界的に有名な人事コンサルタント、ジョシュ・バーシン氏が述べている説として、企業にとって最大のメリットは、採用コストと比較して、従業員へのリスキリングコストは1/6で済む
  • リスキリングの成果を出すためには、平均で12カ月から18カ月かかるという試算があるものの、それでも採用と比較してコストが安い

(引用: 著書「自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング」)

新たな人材を採用する時間やコストと比較して、業務を熟知している社員によるリスキリングの方が、メリットは大きいと言えるでしょう。

\未経験・初心者から3ヶ月でプロのWebマーケター!/

中小企業がリスキリングに取り組むことで得られる効果

男性と女性がデスクワーク中にハイタッチする様子

リスキリングは、企業の現状や社員のスキルを適切に把握し、綿密に練られた経営戦略を基に実行することで、プラスの効果を得ることができます。

また、経営者が率先してリスキリングに取り組み、社員に対して強いリーダーシップを示すことも重要な要素です。

本項では、事例を交えて以下の効果について説明します。

  • 人手不足の課題を解決できる
  • 業務効率化が行える
  • デジタルデータを活用し売上アップを実現できる

1.人手不足の課題を解決できる

リスキリングを行うことで、人手不足の課題解決を行うことができます。

例えば、不動産会社の社員が、VR(仮想空間)技術を学ぶことで、VRを活用した不動産の内覧が可能となります。

従来は、現地へ社員が同行して内覧していましたが、VRを活用することで、現地への内覧へ人手を割り当てる必要はなくなります。

その他として、企業の事例を基に紹介します。

1-1.隂山建設株式会社の取り組み事例

隂山建設株式会社は、福島県郡山市の建設会社です。

同社は、外注していたドローン飛行を自社で賄うことにしました。最初に10人の現場担当者に訓練施設で学んでもらい、自社で学べる体制を作りました。

現在では現場担当者のほとんどの社員が、ドローンを扱うことができ、いつでも自前でドローンによる空撮が行えるようになったことで、お客様から高い評価を得ています。

今までは、若手社員は雑用業務が中心で、離職することもありましたが、今では「ドローンパイロット」というデジタル技術を用いた業務に携われることで、やりがいや向上心が増し、定着率も高まりました。

また、同社では、建設業に特化したアプリ「Building MORE(ビルモア)」を自社開発しました。

自社開発だからこそ、必要な機能のみを厳選し、デジタルに苦手意識がある社員や、高齢社員でも扱えるようにしました。

アプリ開発をきっかけに、開発や運用を担う「DX推進室」を設置しました。

開発や運用の他に、社外向けのビルモアを開発し、販売も開始しました。
リスキリングにより、業務用アプリの開発・販売という既存業務とは別の成長産業への参入も果たしています。

以前は、出産や育児を機に退職した女性社員が、数年のブランクを経て建設現場に復帰するのは困難でしたが、DX推進室ができたことで、退職した社員の復職も実現しました。

建設業界という人手不足や高齢化が進んでいる業界でも、リスキリングによって若手社員にとって魅力ある仕事を生み出し、出産や育児を経験した社員が復職できる環境を整えたことで、人手不足の課題を乗り越えてきました。

(引用:厚生労働省『隂山建設株式会社 | 職場における学び・学び直し促進ガイドライン特設サイト|厚生労働省』)

2.業務効率化が行える

リスキリングを行うことで、業務効率化が行えます。

例えば、IoTデバイスの技術を学び、工場の製造設備に取り付けることで、稼働状況などの様々なデータの収集が行えます。

今まで、現場では複数人で目視で確認していたことも、データ収集を行い、一元管理することで、業務効率化が図れます。

その他として、企業の事例を基に紹介します。

2-2.株式会社陣屋の取り組み事例

株式会社陣屋は、神奈川県秦野市の鶴巻温泉にある老舗旅館です。

赤字で廃業の危機にあった旅館を、リスキリングをはじめとした様々な経営改革により、立て直しを実現しました。
まずは、アナログな業務管理からの脱却を図るため、「陣屋コネクト」という自社開発システムを導入しました。

予約管理、社内SNS、売上管理、経営分析といった機能を持たせ、業務の一元管理を行い、業務の効率化を実現させました。

当初は、多くの社員がデジタル業務に馴染めず、使いこなせていませんでしたが、経営者自身が、粘り強くデジタル化の意義を伝えてきました。

勤怠管理機能をシステムに組み込み、従業員が使わざるを得ない環境を作るなどして、全従業員が使いこなせるようにしてきました。

現在は、従業員一人で、複数の業務をこなす「マルチタスク化」が進み、週休3日制も実現させています。

また、「陣屋コネクト」に、顧客の苦手な食べ物など過去のデータを記録し、次の来泊時には献立を変えるなどして、顧客データを基にきめ細かなサービスを提供しています。
結果として、高いリピート率を上げ、売上アップにつなげることができました。

(引用:厚生労働省『株式会社陣屋 | 職場における学び・学び直し促進ガイドライン特設サイト|厚生労働省』)

3.デジタルデータを活用し売上アップを実現できる

前項の、株式会社陣屋の事例でも紹介しましたが、顧客毎のデータを記録し、データを基にしたサービスを提供することで、顧客満足度を上げ、売上のアップにつなげることができます。

その他として、企業の事例を基に紹介します。

3-1.有限会社ゑびやの取り組み事例

有限会社ゑびやは、三重県伊勢市の老舗飲食店です。

デジタルデータを活用した経営を行い、7年間で売上5倍、利益50倍を実現させました。

現社長が経営を引き継いだ時は、帳簿は手書きのアナログ管理となっていました。
そのため、帳簿の会計データ、売上や客数などを、地道にエクセルへ入力することから始めました。

数年かけて経営に関するデータを収集、分析を行い、自社開発したAIによる来客予測、画像解析によって、いつでも必要な情報が可視化できるツールへと進化させていきました。

お客様が購入したメニューの傾向を、年齢や季節などから分析し、メニューをブラッシュアップさせて、良質なサービスを提供することで売上を拡大させてきました。

現在は、自社のデジタルデータを活かした経営ノウハウや、新たなソリューションの開発を行う会社を立ち上げて、店舗経営とは別軸の、デジタル分野での事業にも取り組んでいます。

(引用:経済産業省『Digital Governance Code 2.0』)

\未経験・初心者から3ヶ月でプロのWebマーケター!/

中小企業におけるリスキリングのまとめ

本記事では、中小企業がリスキリングに取り組むことで得られる効果を中心に解説してきました。

リスキリングは、効果が出るまでには数年かかることもあります。

しかし、紹介した事例のように、紙からエクセルへのデータ入力から始めて、成果を上げている企業もあります。

「人がいない、時間がない、お金がない」のは、どこの中小企業も同じかと思います。

まずは、アナログ管理している業務があれば、デジタルデータへ移行するところから始めてみてはいかかでしょうか。

\未経験・初心者から3ヶ月でプロのWebマーケター!/

この記事を書いた人
鳥本裕之
東京都在住の30代中小企業経営者候補。映像制作会社 → プロバイダー → 鋼管類の卸売と不動産賃貸業を営んでいる家業に従事。経営全般に携わる。新規事業としてWEBマーケティング事業への参入を計画。スキル習得のため学習中。14期生。
このライターの記事を見る
TOP