GDNのターゲティングって、設定が細かすぎてよくわからないんだけど、どうしたらいいの?
GDN(Googleディスプレイネットワーク)を運用する上で、広告を表示させるユーザーを決めるターゲティング設定は重要なポイントです。より戦略的に広告配信を行うために、どんなターゲティングができるかは押さえておく必要があります。
今回はGDNのターゲティングについて、解説します。
Contents
GDNのターゲティングは「属性」「ユーザーの興味」「配信面」
GDNは、世界中のWebサイトに設置してある広告枠に、ディスプレイ広告を配信できるアドネットワークです。
世界中のインターネット人口の約90%以上にリーチできる規模がありながら、数万円でも広告出稿できる手軽さから、大小さまざまな企業がマーケティング活動に使っています。
GDNの魅力はインターネットユーザーに幅広くリーチできるほか、多彩なターゲティングが用意されていることです。ターゲティングは、大きく分けると以下の3つになります。
- 性別や年齢、配信地域などの「ユーザーの属性」
- Webサイトの閲覧履歴などから類推される「ユーザーの興味」
- Webサイトの中から特定のサイトを指定する「配信面」
この3つを必要に応じて組み合わせて、ターゲティングを設定します。
ターゲティングを設定する上で、まず「誰がターゲットであるか?」をはっきりさせる必要があります。ターゲットを決める際に使える考え方は、下記をご参照ください。
GDNの「属性」ターゲティング
GDNの3つのターゲティングについて、さらに詳しく見ていきます。
まずは「ユーザー属性」のターゲティングです。日本国内においては次のターゲット設定が使えます。
性別と年齢
性別は男女ですが、年齢は以下の分かれ方です。
- 18~24
- 25~34
- 35~44
- 45~54
- 55~64
- 65~
- 不明
18歳未満はターゲティングできません。また、20代に配信したい場合、18~24と25~34をターゲティングする必要があります。
配信地域
配信地域には、以下の設定ができます。
- 国
- 都道府県
- 市郡
なお市郡の場合、あまり小さい市町村名はないことがあります。この場合は周辺の市郡をターゲティングしてください。
子どもの有無
GDNでは、子どもの有無までターゲティングできます。例えば、ファミリー向け商品の訴求や子ども用品(おもちゃや教育)などの訴求に有効です。
世帯収入
GDNでは世帯収入でのターゲティングも可能です。
- 上位 10%
- 11~20%
- 21~30%
- 31~40%
- 41~50%
- 下位 50%
- 不明
「年収500万」といった指定はできませんが、「上位10%以上の高収入なユーザー」へ高級車の広告配信はできます。
GDNの多彩な「ユーザーの興味」ターゲティング
次に「ユーザーの興味」のターゲティングをご紹介します。
Googleはご存じの通り、検索エンジンとして使われ、ユーザーはGoogleを起点にさまざまなWebサイトへアクセスします。GDNでは、その検索履歴やアクセス履歴を基に、ユーザーの興味関心をターゲティングできます。
GDNの「ユーザーの興味」のターゲティング手法はいくつかありますので、ご紹介します。
1.ユーザーの熱い関心を捉える「アフィニティカテゴリ」
アフィニティカテゴリとは、ユーザーが熱中していること、習慣、興味や関心に基づいてユーザーにリーチするものです。
Googleによって、あらかじめカテゴリが設定されているため、カテゴリを指定することでターゲティングができます。
なお、カテゴリの中に希望するターゲティングがない場合は、任意でキーワードやURLを指定し、興味関心カテゴリを作ることもできます(カスタムアフィニティカテゴリ)。
2.購入を真剣に考えているユーザーを捉える「購買意向」
購買意向とは、最近の購買意向に基づいてユーザーにリーチするものです。
こちらもGoogleによってあからじめ設定されたカテゴリを指定することで、ユーザーをターゲティングできます。また、購買意向も任意でカテゴリを作ることができます(カスタムインテント)。
例えば、和風建築の注文住宅を販売している会社が広告を出したい場合、あらかじめ設定されている購入意向のカテゴリでは「新築戸建(販売)」のターゲティングになると思います。
しかしこの場合、モダンなデザイナーズ住宅を建てたい人や、鉄骨の住宅を建てたい人などにも該当していまいます。このような場合、カスタムインテントを使います。
「木造住宅」「和風建築」などのキーワードに加え、競合会社のURLを指定することで、より和風建築の注文住宅に興味のあるユーザーへの広告配信ができます。
(参考)アフィニティカテゴリと購買意向の違い
アフィニティカテゴリと購買意向については、以下のように使い分けましょう。
【アフィニティカテゴリ】
⇒興味関心の強いユーザーに、商品・サービスを認知させたい場合
【購買意向】
⇒商品・サービスの購入しようとしているユーザーへアプローチしたい場合
3.迷っているユーザーを捉える「リマーケティング」
マーケティング担当者や広告運用をしている人にとってはおなじみのリマーケティング。自社サイトにGoogle広告タグを設置しておくことで、サイトを訪れたユーザーにだけ広告配信する方法です。
過去1日~540日まで遡ることができるため、短期検討の商材だけでなく、長期にわたって検討するような高額商材や、継続購入するような商品の訴求など、幅広く使うことができます。
4.獲得ユーザーと似た人をサイトへ誘導できる「類似ユーザー」
リマーケティングを応用し、サイトに訪れたユーザーと同じようなWeb上の行動履歴を示すユーザーに訴求する「類似ユーザー」もよく使われます。
購入完了やキャンペーン申し込み完了のユーザーのデータを基に類似ユーザーを設定し、すでに完了しているユーザーの除外して配信することで、一度もサイトに訪れたことはないが、購入完了やキャンペーンに申込した人に近い見込み客へのアプローチが可能です。
5.ここまでできる!GDNのターゲティング応用編
ここからは、応用編のターゲティング手法についてご紹介します。
Googleアナリティクスとの連携
Google広告アカウントとGoogleアナリティクスを連携させることで、Googleアナリティクスのタグが設置してあるサイトでは、Google広告タグを新たに設置することなく、リマーケティングを行うことができます。
この場合、Googleアナリティクスで設定できるユーザーリストをリマーケティングとして活用することも可能です。例えば「サイトに10秒以上滞在したユーザー」や「サイトを3回以上訪れたユーザー」にだけ広告配信することも可能です。
Youtubeとの連携
YoutubeはGoogleのプロダクトなので、Google広告アカウントと連携させることができます。この連携を行うと、Youtubeチャンネル登録者への広告配信や、Youtube Truw view広告の広告動画を見たユーザーに対して、GDNでディスプレイ広告の配信もできます。
例えば、Youtubeで動画広告を見せて商品を認知させた後、GDNのバナー広告でコンバージョンにつなげるような、広告施策を組み立てることができます。
保有するユーザーデータや第三者データの活用
Google広告は、保有するデータをアップロードしてハッシュ化した上で広告配信に活用することができます(カスタマーマッチ)。
ハッシュ化とは、データを暗号化された値に変換することです。
例えば、自社で管理している顧客のメールアドレスをGoogle広告にアップロードすると、顧客のメールアドレスからGmailアドレスを抽出し、そのユーザーに向けて広告配信したり、類似ユーザーにターゲティングを広げて広告配信したりすることができます。
また、Web上のデータを収集している事業者からのデータ供給を受け、自社保有データ以外のデータを活用した広告配信も可能です。
GDNの幅広い配信面を活用できる「配信面」ターゲティング
GDNはインターネットユーザーの90%以上にリーチできる幅広い配信面を持っています。その膨大な配信面の中から、特定のカテゴリについて記載しているWebサイトに絞って配信するものが、「配信面」のターゲティングです。
GDNの配信面ターゲティングには「プレースメント」と「キーワード」の2種類があります。
1.指定サイトを除外する「プレースメント」
プレースメントターゲティングとは、特定のサイトURLを指定し、そのページのみに広告を出せるもの思われがちです。
GDNは1つの広告枠に複数の広告主が競争入札を行うため、大量の広告枠があるからこそCPCが安く収まっています。
1つのサイトのみにしか広告が出せないと、CPMやCPCが非常に高騰します。また、入札に負け続けると広告自体が出ないため、非常に効率が悪いです。
そのため、プレースメント指定は「このサイトには出したくない」という場合に除外設定を行います。
GDNは膨大な配信面があるため、配信面の中にはブランドイメージを毀損するような個人ブログにも出ることがあります。GDNを運用するときは配信面をチェックし、おかしなサイトに出ているようであれば除外することが大切となります。
また、たくさんクリックされるがコンバージョンが取れない場合も除外します。
2.特定ジャンルの記事が書いてあるWEBサイトを指定する「キーワード」
Googleは各サイトに記載されているキーワードを読み取って、サイトのカテゴリを分類しています。このサイトカテゴリを指定することで、特定ジャンルの記事が書いてあるサイトに、広告を配信することができるのが「キーワード」です。
キーワードはGoogleがあらかじめ指定したトピックを指定する方法(トピックターゲット)と、任意のキーワードを指定する方法があります。
(参考)キーワードを任意で設定するターゲティングの違い
GDNには、任意のキーワードを用いてターゲティングを行う設定がいくつかありますが、以下の違いがあります。
【カスタムアフィニティカテゴリ、カスタムインテント】
⇒ユーザーの興味関心(人)を指定するもの
【キーワードによる配信面指定】
⇒そのキーワードについて書かれたサイト(場所)を指定するもの
GDNのキーワードを用いたターゲティングにおいてもリスティングの考え方が参考になります。リスティング広告のキーワードの考え方については、こちらをご参照ください。
GDNのターゲティングのまとめ
今回はGDNのターゲティングについてご紹介してきました。
GDNにはさまざまなターゲティング手法があるため、経験の浅いと不明瞭な設定となる場合があります。
しかし、一つ一つの手法の意味を理解すると、
- 幅広くリーチさせたいなら「アフィニティ」
- 購入させたいなら「購入意向」
- 出したくないサイトが出てきたら「プレースメント」で除外
このような明確な使い分けができます。
ぜひ、目的に合ったターゲティング設定ができるようになりましょう。
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【まとめ】Googleでリスティング広告を行う際に知っておきたいこと!
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