インバウンドマーケティングとは?消費者行動を捉え効果的なコンテンツ提供のススメ

12期生
電卓とクリップが置かれた机

「インバウンドマーケティングとは?」「なぜ今インバウンドマーケティングが注目されているのか?」「インバウンドマーケティングの効果的な手法は?」
そういった方向けに、「インバウンドマーケティングが注目される背景」や「消費者行動を捉えた効果的なコンテンツ内容」を紹介します。

この記事を参考に、消費者行動に沿ったインバウンドマーケティングに取り組み、効果のあるコンテンツ提供から自社のファンを増やしていきましょう。

\未経験・初心者から3ヶ月でプロのWebマーケター!/

インバウンドマーケティングとは?

どこまでも続く道

インバウンドマーケティング?聞いたことはあるけど、アウトバウンドマーケティングとの違いは?コンテンツマーケティングとも違うの?それぞれの意味について解説します。

インバウンドマーケティングは「消費者主導」

インバウンドマーケティングは有益な情報を提供し、消費者が自ら情報検索し「見つけてもらう」ことで企業の情報に触れてもらい消費者との関係を醸成します。「見つけてもらう」という特性上、タイミングを企業がコントロールすることは出来ません。

● SEO対策
● Webサイト・ブログ運営
● SNS(LINE・Instagram・Twitter等)
● セミナー・ウェビナー
● 動画コンテンツ(商品・サービス紹介・採用動画等)

アウトバウンドマーケティングは「企業主導」

アウトバウンドマーケティングは企業が発信したいタイミングで消費者を「追いかける」ように情報提供し、企業側から消費者の生活に入り込んでいきます。ほとんどの場合、短期間で集中的に行います。

● テレビCM
● 広告
● ダイレクトメール
● テレマーケティング

コンテンツマーケティングとの違い

コンテンツマーケティングは価値のある情報を用いたコンテンツ(Webサイト・ウェビナー・動画等)を作成し、消費者に提供する手法です。

インバウンドマーケティングは「概念・プロセス」であり、コンテンツマーケティングはその概念を実践するための「手法」です。インバウンドマーケティングに内包されていると考えていいでしょう。

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なぜインバウンドマーケティングが注目されているのか?

デジタルの歯車

なぜインバウンドマーケティングが注目されているのか、そこには消費者行動の変化を捉える必要があります。どのような過程を経て消費者は商品やサービスの購入に至るのか解説します。

モバイルの普及により消費者の検索は日常的なものに

令和4年8月に総務省情報通信政策研究所が発表した「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、全年代(10代〜60代)で「スマートフォン」の利用率は、95.3%となっています。

年代別に見ても60代を除き 90%を超える利用率となっており、60代でも85%を超える利用率となっています。

また、テレビ・ラジオ・書籍などと比較し、インターネットの高い使用率も結果に現れています。

「趣味・娯楽に関する情報を得る」場合、10代〜40代で80%を超えており、「仕事や調べものに役立つ情報を得る」場合も、10代〜40代で 90%前後の高い値となっています。
スマートフォンを利用した検索や情報取得は多くの年代で日常的な行動として浸透していることがわかります。

消費者の購買行動が変化

一般的にカスタマージャーニーを考えるとき、AIDMA(アイドマ)の法則「知る→興味を持つ→欲しいと感じる→記憶する→購入する」に沿ってそれぞれの段階に応じた施策を講じるでしょう。

「消費者行動はファネル(漏斗)状」であり逆流しないことを前提としたこのモデルは、マーケティング戦略が比較的簡単に立てやすく、マーケターにとっても好都合でした。

しかし、Googleの調査によると消費者の購買行動に変化が出てきていることがわかりました。

1) 今、人々は買う瞬間まで知らなかった名前の商品を買うことに躊躇しなくなってきている
2) 今、人々は何かを買うためにお店や ECサイト に行く時点で、具体的にどの商品を買うかまだ決めていないことが多い
3) 今、人々は暇つぶしにスマホを眺めている時に、偶然知った商品をその場で買うことに躊躇しなくなってきている

引用:データから見えた「パルス型」消費行動——瞬間的な購買行動が増えている:買いたくなるを引き出すために:パルス消費を捉えるヒント(2)

消費者は1つ1つ段階を踏んでいるわけではないのです。

パルス型消費行動の出現

24 時間いつでも、どこでも買い物のタイミングがあり、ちょっとしたスキマ時間にスマートフォンを操作しながら偶然「出会った」商品の購買意欲が掻き立てられ、次の瞬間には購入を終わらせる。この消費者行動を、従来の段階を踏んでいく「ジャーニー型消費行動」と区別して「パルス型消費行動」と呼んでいます。

AIDMAの最初の A(Attract:認知)と最後の A(Action:行動)がほぼ同時に発生し、そこに時間・空間の隔たりはありません。

「ピン」と来るものに出会うと一気に購入

瞬間的に買いたくなる「パルス型消費行動」は「衝動買い」と何が違うのか。消費者は検索行動を繰り返す中で6つの「ピン」とくるものに出会った時、反応して一気に購入まで決定します。

1. Safety:安心安全なもの
2. For me:自分の価値軸にぴったりなもの
3. Cost save:お得なもの
4. Follow:売れているものや、第三者が推奨するもの
5. Adventure:知らなかったものや興味をそそるもの
6. Power save: 買い物の労力を減らせること

消費者は意識的に、または無意識的に検索行動を通して「ピン」とくる出会いを求めています。常に情報検索をしている消費者に対して、情報を「届ける」のではなく、「出会って」もらうことが重要です。

これを買おうと決める瞬間と実際に購入する瞬間が、乖離しているパターンが増えてきました。今は“ついで買い”を、家に帰ってからでもできるところが「衝動買い」とは異なるのです。

アウトバウンドマーケティングの効果が薄れてきた

スクロールしてもしつこく画面に現れる広告、大量に送られてくるダイレクトメールなどに「ネガティブな印象」を持った経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

インターネットでの検索が一般的ではない時代には、テレビCM、屋外看板、セールス担当者と直接話すなど、消費者はアウトバウンドマーケティングから情報を取得していました。今は消費者が「自ら情報を調べる」ようになり、「不必要な情報には嫌悪感を抱く」ようになりました。

企業も主流としていたアウトバウンドマーケティングを徐々に縮小し、インバウンドマーケティングに比重をおいた施策へと転換しています。

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消費者の気持ちに沿ったコンテンツの提供

アプリが表示されたスマホとキーボード

Googleは消費者が情報検索する際に抱く気持ちを8つに分類し、さらにその気持ちはそれぞれ「さぐる」と「かためる」2つに分けました。消費者は「さぐる」と「かためる」の間を行ったり来たりします。これを蝶の羽根に見立てて「バタフライ・サーキット」と呼びます。

【さぐる】:「気晴らしさせて」「学ばせて」「みんなの教えて」「にんまりさせて」
【かためる】:「納得させて」「解決させて」「心づもりさせて」「答え合わせさせて」

さっきまで選択肢を「かためる」ために検索していたのにも関わらず、今初めて知った商品が目の前に現れ気持ちが「さぐる」に移り、一気に当初予定していなかった商品を購入するといったことが起こります。

24時間いつでも検索・購入できる環境にあるからこそ、一瞬のうちに気持ちが動いてしまうのです。

インバウンドマーケティングと親和性の高いコンテンツは消費者の顕在意識や潜在意識にある疑問・欲求・不安・納得といった、実は「大切」にしたい部分を解決する手助けをすることができます。

それぞれの気持ちに沿った内容のコンテンツを提供していきましょう。

さぐる|気晴らしさせて

関心があるものに対して情報収集自体を楽しみたい消費者は、商品やサービスの持つ背景やストーリーに共感するコンテンツに反応します。わかりやすさを意識し、例え話を用いて自分ごとのように意識させます。この場合、細かい情報を発信しても興味を持ってもらえません。

消費者が気軽に参加できる場を作り、思いを共有して商品やサービスの体験を増やしていきましょう。SNS、イベント、オンラインコミュニティなどの双方向性コミュニケーションを通して企業をどのように捉えているのかを正確に把握することは、次なる施策を考えるヒントになるでしょう。

さぐる|学ばせて

今まで知らなかったことに対して網羅的に知識を蓄積したい消費者は、これからの自分に役に立つ情報へ反応します。疑問に答えるコンテンツを用意することで頼りになる存在としての信頼を獲得します。食品や化粧品などの成分、商品やサービスに付随する一般的な知識など、学びになるコンテンツも有効です。

さぐる|みんなの教えて

世間や周りの人が選んでいる商品やサービスを把握したい、話題に乗り遅れたくない消費者は、口コミ、商品レビュー、体験談などに反応します。企業がレビュー型コンテンツを採用する際には写真や画像は必須ですが、「発信者の顔が見える」ことも重要です。コンテンツの内容により説得力を持たせることができます。

インフルエンサーを活用する場合はインフルエンサー自身が興味を持って商品やサービスの魅力を伝えられることが重要です。インフルエンサーにとってはファンとのエンゲージメントも大事なことですのでブランディング、スタンスは尊重しましょう。

さぐる|にんまりさせて

一般的にはなっていない知る人ぞ知る商品やサービスを知りたい消費者は、専門家が選ぶ商品紹介やここだけの限定情報に反応します。専門家による訴求は一種の権威付けになり、消費者からの信頼も得られます。

当事者よりも利害関係のない第三者から伝えられた意見の方が信頼しやすい心理傾向のことをウィンザー効果と言い、企業からのおすすめではなく、専門家によるインタビュー記事などは消費者の購買決定に影響を与えることがあります。
限定情報の提供は消費者の特別扱いされたいという欲求にも応えられます。

かためる|納得させて

今持っている考えが本当に正しいものなのか確認したい消費者は、商品やサービスを使うと自分にとってどのようないいことが起こるのか「利益(ベネフィット)」「恩恵」を求めます。

ここで重要なのが、「メリット」と「ベネフィット」の違いです。

「メリット」とは、その商品・サービスの特徴のこと。コンテンツ内で魅力を伝えたいがために特徴をただ述べるだけでは消費者からしてみれば「それが自分にとって何の役に立つの?」となり、購入せずに終わってしまう場合もあります。

「ベネフィット」とは、「メリット」によりもたらされる利益のこと。この商品・サービスを購入すると「自分にとってこんないいことが起こるのか!」と思ってくれれば「納得感」が生まれます。

かためる|解決させて

具体的な方法や手段がわからないときに、今すぐ役立つ答えを手に入れたい消費者は、商品やサービスが自身の課題を解決してくれることを求めます。

商品やサービスの内容や使い方を教えるコンテンツとして動画も有効です。動画コンテンツの魅力は情報量の多さにあり、映像や音声をセットで用いた方がテキストのみの情報より消費者の記憶にも残りやすいです。

言葉では伝えにくい商品の細かな部分や素材の違いなどは、角度を変えながら見せることもできますし、サービスを利用した際のイメージをアニメーションを使うことで、消費者は具体的に想像することができます。

かためる|心づもりさせて

商品・サービスに後でがっかりしないよう予め期待値を下げておきたい、リスク回避の心理が働く消費者は、商品やサービス利用時のハードルを下げたいと求めます。

コンテンツ内で「商品を購入」「会員登録」「個人情報」など、消費者に行動を起こしてほしい際に、それを促進するオファーをします。例えば、「初回割引」、「返金保証」、「送料無料」などです。

また、名前や住所、メールアドレスといった個人情報を教えてもらうことを条件に、無料で「価値のあるもの」を提供することも。

特にBtoBにおいて、担当者の連絡先などはその後相手に直接アプローチし、企業同士の深い関係を醸成するための貴重な情報となります。

多くの企業は情報収集のために「無料オファー」を行っています。例えば、見込み客にとって課題解決に有効なホワイトペーパーの無料ダウンロード、過去のウェビナー配信などが挙げられます。

かためる|答え合わせさせて

商品・サービスについて、自分の選択が間違っていないことを確認したい消費者は、口コミの評価や体験談の内容、さらに効果についてエビデンスを求めます。
コンテンツ内で商品やサービスが実際にどのような効果をもたらすのかといったエビデンスを示すことへの要求も高まっています。独自性のアピールをする場合も、確かなエビデンスを示しながら消費者にアプローチしましょう。

イメージ先行は一時的に注目を浴び、成果が出たかのように感じるかもしれませんが、実体を伴っていないため、やがて信頼を失うでしょう。

従来のジャーニー型手法に新しい考えをプラス

あくまでバタフライ・サーキットは消費者の揺れ動く気持ちの一面を捉えたもの。
商品やサービスによっては従来のジャーニー型消費行動に合わせた手法が有効である場合もあるでしょう。

ジャーニー型の消費者行動を段階的に切り分け、施策を講じることに効果を感じられなくなっていた場合、無理やりその枠に当てはめるのではなく、バタフライ・サーキットの考えに沿った施策を検討してみてください。

消費者の抱く気持ちに寄り添うことが、インバウンドマーケティングの成功に繋がります。

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インバウンドマーケティングのメリット・デメリット

チームで打合せ

インバウンドマーケティングも完璧なものではありません。メリット・デメリットを抑えていきましょう。

インバウンドマーケティングのメリット

1. 費用対効果が高い
インバウンドマーケティングはWeb サイトとコンテンツを用意するだけで始めるこが出来ます。初期費用が抑えられる点でも取り入れやすい手法です。
中小企業にとっても小規模から始め、ビジネスの成長に合わせてコンテンツの種類を増やし、規模を拡大することもできます。

2. インバウンドマーケティングは消費者に嫌われにくい
世界的なパンデミック以降、屋内で過ごすことが増えた消費者は、スマートフォンなどを使用してデジタルプラットフォーム(ECモール、コンテンツ配信サービス)に触れる時間が多くなりました。

従来のアウトバウンドマーケティングと比較して消費者に「見つけてもらう」インバウンドマーケティングは、繰り返される検索の中で価値ある情報を「押し付けず」好感をもたれやすくなります。

3. コンテンツは資産となり長期的な価値を生む
コンテンツは蓄積されるため、長期的な目線で見ると価値のある資産となります。初めから多彩なコンテンツを用意する必要はありません。量より質が大事です。

インバウンドマーケティングのデメリット

1. 短期間での効果が見えにくい
テレビCMや広告のように、短期間で認知度を高めることを狙うわけではありません。効果が出ているかどうかを見極めるには、SNSや検索エンジンの結果ページからコンテンツを閲覧した後で、コンバージョンに到達した消費者の数を確認する必要があります。

2. コンテンツを見直すための体制整備が必要な場合も
既に多くのコンテンツを保有する場合、適切な配置・内容なのかといった点を見直すための体制整備が必要な場合もあります。また、継続して鮮度ある情報を一定のクオリティを保ちながら出していくことも重要です。

アウトバウンドマーケティングとの併用がおすすめ

アウトバウンドマーケティングの効果が薄れてきているとはいえ、一度顧客になった消費者の興味に合わせたものであればメールマガジンやセミナーへの電話案内は有効なものとなります。アウトバウンドマーケティングもポイントで取り入れていくことが大事です。

アウトバウンドマーケティングの「短期間で効果が現れやすい」「不特定多数にアピールし認知度拡大」は重要な武器になります。

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SEO対策を始めてインバウンドマーケティングを強化

キーボードの上に置かれたSEOの積み木

せっかく作成したコンテンツも消費者に見つけてもらわなければ最終的に商品・サービスの購入に繋がりません。SEO対策は検索結果の上位表示を狙い「消費者に見つけてもらいやすくする」施策です。

コンテンツマーケティングと組み合わせる事で「充実したコンテンツ提供による企業の信頼度アップ」→「商品・サービスの購入」へと誘導することが出来ます。

SEO対策を始めてインバウンドマーケティングを強化し、自社の魅力を消費者に適切な方法で発信することでファンを増やしていきましょう。

何だかSEO対策は専門的で難しそう、よく分からないから外注するしかないのかな?と考える方もいるかと思います。

WEBMARKSでは最短8週間でSEO担当者を社内育成するプログラムもございます。
事例もありますので、ご興味のある方は是非こちらをご覧ください。

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この記事を書いた人
OkamuraYuko
金融システム開発プログラマー → 人事総務業務。自由な生き方を手に入れて変わり映えのない生活に刺激を!元々興味のあったwebマーケティングの勉強始める。趣味は絵を描くこと、英会話。将来はマーケターとアーティストの両立を目指す。12期生。
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