Webマーケティングと統計学の関係とは?具体的な分析手法や資格・本を紹介

12期生
統計学のイメージ

今回の記事では、Webマーケティングと統計学の関係性について解説します。

「Webマーケターが統計学を勉強する必要があるのか?」
「BIツール・MAツールなどの分析ツールを用いれば、統計学を知らなくてもよいのでは?」

Webマーケティングに従事している方は、上記のような疑問も出るかもしれません。

しかし、統計学の基礎だけでも知っていると、分析のメカニズムから理解できるため、より分析の質が向上するでしょう。

そうすれば、より確度の高いWebマーケティングに関する施策を立てられます。

著者は、大学で統計学の基礎を学んだのですが、「見かけ上関係がありそうでも、実際には因果関係も相関関係もない」という考え方(疑似相関)を知りました。

大学で行った最初の統計学(社会調査)に関する講義は「世論調査を批判する」でした。行政が主導する世論調査でさえ統計学的には批判できる点があるのです。

おかげで、社会人になっても「実際に計測はしているものの、本当に関連しているのか?」という視点でWebマーケティングの計測結果や施策を見極められています。

このように、統計学というアカデミックな内容をビジネス、Webマーケティングに活かせます。

記事の前半部では「Webマーケティングに統計学がどのように活用されるか?」について、重要性・実際の統計手法を紹介します。

後半部ではWebマーケティングに必要な統計学の勉強方法を本・講座・資格など、習熟レベルにあわせて解説します。

現場でWebマーケティングを担当している方は、ぜひ統計学を取り入れて自身のキャリアに生かしましょう。

\未経験・初心者から3ヶ月でプロのWebマーケター!/

Contents

Webマーケティングにおける統計学の重要性・メリット

メリットWebマーケティングにおいて、ターゲット分析を主観的にすることも多いのではないでしょうか。

主観的な分析に加えて、統計学を用いるとより客観的な分析ができ、確度の高いWebマーケティングの施策を実行できます。

ユーザー動向を客観的に分析できる

統計学の活用で、Web上のユーザー行動をより客観的に分析できます。
Webマーケティングの強みは、ユーザー行動を定量的に収集できる点です。

通常のWebマーケティングでは、収集したデータを分析してから施策を立てます。
そこで、統計学の知識があれば、より科学的根拠に基づいた分析ができるでしょう。

実行した施策のより精度の高い効果測定ができる

「施策を立てる」目的に加えて、「実行した施策を検証する」目的で統計学を活用できます。

効果測定に統計学を取り入れることで、偶然起きたのではなく科学的根拠をもって施策の検証が可能です。

例えば、「現状のコンバージョン率が統計的に信頼できる内容か」を測るには、平均値ではなく有意差を確認します。有意差に関しては後述する統計的検定を用いて確認できます。

以上のように、「ユーザー行動の分析→施策の実行→効果測定→施策の実行」を繰り返すことで、確度の高いWebマーケティングを実行可能です。

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Webマーケティングで用いられる統計学の分析手法

how to今回は細かい分析の手順ではなく、「統計的な分析手法がWebマーケティングでどのように活用できるか」にフォーカスして紹介します。

なお、統計学には「変数」という考え方があります。
変数とは定数と対比された「範囲は定められるが、特定の値には限らないもの」です。

ざっくりいうと、数学で登場するxやyのことです。

今回は分かりやすさを優先して変数を「要素」「分析基準」とあえて置き換えて説明しています。

統計学を勉強する前に知っておきたい前提

統計学でいう関連性(相関関係)とは、「原因が結果に影響を与える」因果関係とは異なります。

相関関係については、統計学である程度証明が可能です。

しかし、因果関係を証明するには例外として手間がかかるテストはあるものの、多くの場合、理論的な考察や現場でのヒアリングから妥当性を確認する必要があります。

Webマーケティングに従事する方は、相関関係・因果関係を取り違えないように普段の業務で心掛けましょう。

コンセプト設計|コレスポンデンス分析

コレスポンデンス分析画像イメージ

コレスポンデンス分析とは後述するクロス集計で分析した表をマッピングして、視覚的に分かりやすく表現した分析手法です。

Webマーケティングでは、商品・サービスに関するコンセプトの調査・設計によく用いられます。

マーケティングの用語でいうとポジショニング戦略と相性が良いといえます。

上記の図は、みかんの箱色とその印象を散布図で表している調査の例です。分析時には、ユーザー行動やアンケート結果などの収集した数値を元に作成します。

コンセプト設計|コンジョイント分析

コンジョイント分析。回答者に提示したプロファイルカードの画像 コンジョイント分析。佐藤の科学的な情報のテキスト コンジョイント分析。佐藤の国内での生産の位置付けと生産状況に関する情報テキスト
砂糖の科学的な情報(情報A)

砂糖に関する以下の情報は、いずれも科学的根拠のない誤った情報です。

  1. 白砂糖は体に悪いが、黒砂糖は体に良い
  2. 砂糖は骨の中のカルシウムを溶かしてしまう
  3. アルカリ性食品は体によく、酸性食品は体に悪い
  4. 摂取カロリーが不足していても、砂糖を食べると太る
  5. 砂糖をたくさん食べると血液が酸性になる
  6. 砂糖をたくさん食べると、落ち着きがなくなり集中力が低下する
  7. 健康のためには、砂糖は食べないほうがよい
  8. 牛乳に砂糖をいれると牛乳中のカルシウムが無駄になる
  9. グレープフルーツに砂糖をかけると、含まれるビタミン C が無駄になる
  10. 砂糖をたくさん食べると、低血糖症を起こす(血糖値が下がる)
  11. 白い砂糖は漂白している

上白糖などの白い砂糖も三温糖もいずれも精製糖で、同じ製造方法で作られます。工場では上白糖やグラニュー糖などの白い砂糖が先にできます。

そして、残った糖液を再び煮詰めて結晶を取り出す工程を繰り返します。
この工程を繰り返すうちに、加熱が続くことで糖が分解し、糖液に茶色い色が付いていきます。

この糖液からできるのが、三温糖です。

砂糖に含まれるミネラル量から考えて、砂糖でミネラルを摂取するよりも、野菜や果物、海藻などミネラル豊富な食品をたっぷり摂る方が効率的といえます。

また、白い砂糖と三温糖のどちらが健康に良い・悪いということはありません

図7 砂糖の国内での生産の位置付けと生産状況に関する情報(情報B)

砂糖は私たちが生活していく上で欠かすことのできない食料で、国民の摂取カロリー全体の約8%を占めています

国内産の砂糖は日本の食料自給率38%(平成29年度カロリーベース)のうち約3%を占め、米、畜産物に次ぐ貢献度を誇っています。ですから、砂糖を国内で安定的に生産し、適正な価格で、かつ安定的に消費者に供給することは極めて重要な事項です。

また、国内産の砂糖の原料であるサトウキビは、台風の常襲地帯である沖縄県や鹿児島県南西諸島における基幹作物であり、また、てん菜は、北海道において麦や大豆などと組み合わせた輪作体系上の重要な作物です。

これらの作物の安定生産とそれぞれの地域に立地する国内産糖製造事業者などの関連産業は、地域の経済や雇用にとって、なくてはならない重要な役割を果たしています。

コンジョイント分析とは、顧客にとって「どの要素が関して購買決定に影響しているか」を定量的に確かめる分析手法です。

コンジョイント分析の強みとして、要素の重要度に加えて、要素の最適な組み合わせも分かります

上記の図は、「砂糖に関するどの情報を提供すると、消費者の反応(選ぶカード)が変わるか」を表した調査の内容です。

コンジョイント分析を用いて「砂糖に関する科学的な正しい情報」を提供することで、消費者が砂糖以外を選ぶ結果が得られました

特にWebマーケティングでは、USPなどの商品・サービスに関する訴求ポイントを決める際に有効といえます。

次章からは、「ユーザーの分類」について解説しましょう。

ユーザーの分類|クラスター分析

クラスター分析消費者のグループ化の画像クラスター分析とは、大規模な集団(クラスター)を似た集団にグルーピングする分析手法です。

クラスター分析では、性別や年齢層などの既存の分類基準ではなく、新たに定義された分類基準を立てて分類します。

「なんとなく似ている」ではなく、定量的に類似していることを証明できることがクラスター分析の強みです。

上記の図では、消費者基本調査(2019)を元に、クラスター分析で消費者の食品ロスに関するタイプ分けを行っています。

Webマーケティングにおいてはターゲットを考察する際、主に活用されます。

ユーザーの分類|決定木(ディシジョンツリー)分析

決定木(ディシジョンツリー)分析イメージ図決定木分析とは、データをツリー(樹形図)構造に可視化する分析手法です。

クラスター分析と比べると解釈がシンプルで分かりやすく、前処理や制約が少ないことから汎用性の高い分析手法といわれています。

上記の図は、アンケート調査を元に決定木分析を行い、高血圧の要因を特定した内容です。
Webマーケティングでも、その汎用性の高さから、ユーザーの分類によく用いられます。

さらに、機械学習に応用でき、より複雑な分析にも対応できるのが決定木分析の利点です。一例として、後述の「ランダムフォレスト」で取り扱っていますので、詳しくはご覧ください。

ユーザーの分類|主成分分析

主成分分析とは、多くなった分類基準を少なくまとめる分析手法です。

ユーザーの分類では、分析基準が「100種類」「500種類」というように膨大になることがあり、せっかくクラスター分析や決定木分析を行っても考察することが非常に困難です。

そこで、主成分分析を行うことで「10種類未満」というように解釈が容易な数にします。
ECサイトで簡単に例えましょう。

  • アウトドア用品に関心がある
  • スポーツに関心がある
  • ゲーム機器に関心が無い
  • 観葉植物に関心がある など

上記のように複数のジャンルで関心の有無を分類すると、ユーザーの分類基準が膨大になってしまいます。

簡単に言うと主成分分析では、上記の分類基準を「アウトドア派」「インドア派」「中立派」という分類にしてしまうのです。

ユーザーの分類|判別分析

判別分析は、3つ以上の関連性を分析する「多変量解析」の一つです。

多変量解析には、前述の主成分分析に代表される結果の集約(文系と理系など)と、結果の予測という役割があります。判別分析では集約を行いつつ、予測を行います。

Webマーケティングで用いられる例は、以下のとおりです。

  • 既存の顧客データを元にリピーターや購入単価が高い顧客を分類
  • 見込顧客の確度を分類

例えば、分類したユーザーに対してDMやテレアポなどを行うことで、アプローチの成功確率を挙げられるのです。
次章からは、データの関連性にフォーカスした統計的手法を解説します。

関連性|クロス集計

クロス集計とは、2つ以上の質問項目に対する回答を掛け合わせて、関連性を集計したものです。

Webマーケティングでは、「ユーザーの属性にどのような傾向があるか」を調べる際によく用いられます。

例えば、以下のような例があります。

  • サイトの訪問者におけるユーザー行動
  • ECサイト利用者における属性と購買行動
  • 顧客属性と満足度

クロス集計は、複雑な統計処理を必要とせず、グラフへの加工も比較的容易です。以下のような応用も可能です。

  • 前述のコレスポンデンス分析でコンセプトを設計する
  • SWOT分析で自社の「強み・弱み」「機会・脅威」を分析する

関連性|アソシエーション分析

アソシエーション分析とは、検索・購入履歴などの膨大なデータから「AならばB」という要素の関連性を見つけることに用いられる手法です。

コレスポンデンス分析・コンジョイント分析との違いは、要素の関連性を「特定する」ことに関して用いられる点です。

よくある例として、ECサイトでアソシエーション分析に近い表示があります。

  • 「一緒に購入」というような「Aを買う人はBを買う」ようなセット購入を勧める
  • 商品をカートに入れた際「こちらもおすすめ」というように表示される

関連性|回帰分析

回帰分析とは、予測の分析に用いられる分析手法です。前述したアソシエーション分析とは以下の意味で異なります。

  • アソシエーション分析:大量のデータから関連性を見つけるデータマイニングが主軸
  • 回帰分析:仮説を元に関連性を統計的に分析することが主軸

なお回帰分析には、「AならばB」という1対1での関連性を見出す「単回帰分析」と、「A1・A2・A3……ならばB」と3つ以上の関連性を見出す「重回帰分析」があります。

Webマーケティングを例に挙げると、コンバージョンの要因などユーザーの属性・行動で複数の要因が絡む場合は、重回帰分析を用いることが多いでしょう。

関連性|統計的検定

統計学における検定(※)は、情報の関連性が確かであることを測る分析手法です。数字の字面やグラフで視覚的にみると効果がありそうでも、統計的検定を行うと誤差でしかない結果も出てくるのです。

統計的検定はWebマーケティングに留まらず、汎用性の高い分析手法として用いられています。

統計的検定のうち、Webマーケティングでよく活用する2つの検定(t検定・カイ二乗検定)は以下のとおりです。
(※)後述する資格の「統計検定」とは意味合いが異なります。

比較データの対応関係 一例
t検定 あり 販促キャンペーンの施策を改善した前後での評価
カイ二乗検定 なし 広告クリエイティ
でのA/Bテスト

上記のように、比較データに対応関係があるかどうかで使い分けをします。なお、3つ以上の対応関係がある場合は「分散分析」を用います。

ここからは、機械学習での統計手法について解説しましょう。

そもそも機械学習とは

  • AIに用いられるデータ分析の一つです。入力情報をもとにパターンを機械が自動で学習します。
  • MAツールやBIツールにも応用されており、実装する際はPythonや統計ソフトを活用します。

機械学習|SVM (サポートベクターマシン)

SVMとは、機械学習におけるアルゴリズム(計算・操作の処理方法)の一種です。

10万未満のデータ活用に向いており、誤った検知に関して比較的少ない点がメリットです。
Webマーケティングの例でいうと、以下のような手法に用いられます。

  • 異常の検知:問い合わせフォームの回答に対して、テキストを分類してスパムメールとして弾く
  • 情報の予測:ECサイトでレコメンド機能を導入する

機械学習|ランダムフォレスト

ランダムフォレストイメージ画像 ランダムフォレストイメージ画像

ランダムフォレストは前述の決定木分析を応用した分析手法で、「木が集まり森(フォレスト)になる」というそのままの意味です。

前述のSVMと比べて大量のデータ向けのアルゴリズムで、ランダムフォレストを活用すると、データの規模にかかわらず識別できます

上記の図は、ドローンが撮影した写真の画像解析にランダムフォレストを活用した調査の内容です。

前処理(SLIC法)を行った後に、「イネ」「雑草」「土壌」で分類できるようにしています。

Webマーケティングでは、「大量のデータを詳細に分類したい」という目的や、決定木分析よりも精度を重視した分析目的で用いられます。

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Webマーケティングのために統計学を学ぶ方法①本

本を読んでいるイメージここからは、実際に統計学を学びたいWebマーケターの方に向けて、本の紹介を行います。
レビューや著者が大学時代に勉強した経験からピックアップしたので、ぜひご覧ください。

統計学を学べる本

【初級】

【図解】大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる
統計学の全体像を俯瞰できる

基礎から学ぶ統計学
人気授業をもとにした統計学の基礎

統計学の図鑑 (まなびのずかん)
図解付きで辞書としても内容理解としてもおすすめ

【中級】

マーケティングのための統計分析
マーケティング現場での応用例

入門 統計解析法
統計学の基礎項目を理論的に理解が可能

多変量解析法入門 (ライブラリ新数学大系)
回帰分析(単回帰・重回帰)・判別分析・主成分分析の3項目に関する理論的な理解が可能

初級|【図解】大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる

「10時間シリーズ」の統計学をテーマにした書籍です。

100ページと比較的少ないため、統計学の基礎に関して、一通り目を通す目的で読むことがおすすめです。

ただし、省略されている箇所も多いため、一つひとつの項目を丁寧に理解したい方には、後述する書籍がおすすめといえるでしょう。

「[図解]大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる」のAmazonページはこちら

初級|基礎から学ぶ統計学

北海道大学の人気授業として、10年以上の経験から基礎的な項目をピックアップした入門書です。以下の基礎項目を取り扱っています。

  • t検定
  • 分散分析
  • 多重比較
  • 相関分析
  • 単回帰分析

図表・例題が多く、数学が苦手な方にもおすすめの書籍です。

「基礎から学ぶ統計学」のAmazonページはこちら

初級|統計学の図鑑 (まなびのずかん)

学生が用いる統計の知識から、「多変量解析」「ベイズ解析」などの本格的な内容が網羅されています。

全体像の俯瞰や辞書的な活用におすすめで、統計学初学者の方には必須の書籍といえます。

「統計学の図鑑 (まなびのずかん)」のAmazonページはこちら

中級|マーケティングのための統計分析

売り場・商品・顧客の評価など、実務で用いられる基礎的なデータ分析がまとめられています。

代表的な統計手法が網羅されており、マーケティングの実務担当者やマーケティングを専攻する学生向けに書かれています。

また、数理モデルの内容にも触れており、中級者にもおすすめの内容です。

「マーケティングのための統計分析」のAmazonページはこちら

中級|入門 統計解析法

統計学の基礎を掴んで、これから本格的に統計学を学びたい方におすすめの本です。高校レベルの数学の知識があれば、数式などの理論的な理解を深められます。

「入門 統計解析法」のAmazonページはこちら

中級|多変量解析法入門 (ライブラリ新数学大系)

3つ以上のデータを分析する多変量解析についての内容をカバーできる一冊です。前述した以下の項目に関しては、理論的な内容まで読むことをおすすめします。

  • 回帰分析(単回帰・重回帰)
  • 判別分析
  • 主成分分析

「多変量解析法入門(ライブラリ新数学大系)」のAmazonページはこちら

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Webマーケティングのために統計学を学ぶ方法②講座

オンランで授業を受けている様子活字よりも動画教材で丁寧に理解したい方には、講座の受講がおすすめです。

現在、統計学について学べる公開講座を「受講料」「メリット」「デメリット」「おすすめの人」の観点からまとめて紹介します。

統計学を学べる講座

※以下、料金表記は、すべて税込です。

Udemy(ユーデミー)

Udemy(ユーデミー)Udemyは、ベネッセが運営している有料動画プラットフォームです。
2023年5月時点では「統計学」の講座は600点、「マーケティング 統計」だと6,000点近くの動画講座が用意されています。
評価順やレビュー数などでも検索できるため、自分に合った最適な有料動画を選べるでしょう。

Udemyまとめ

  • 受講料:買い切り型・1,000円程度~
  • メリット:少額の買い切り型のため、組み合わせ次第で統計学をコスパ良く網羅できる
  • デメリット:自分で選ぶ手間や質問対応がない
  • おすすめの人:独学ができる人

Udemyの公式サイトはこちら

Aidemy(アイデミー)

Aidemy(アイデミー)Aidemyは、AIに特化したオンライン講座です。

プランによっては、動画に課題の添削があり、独学で難しい方にはおすすめの講座です。

なお、Udemyと名前は似ていますが、資本関係はなく、単元単位で少額の買い切り型でもありません

受講料は動画教材のパッケージで30万~50万円ほどかかります。

講座 3ヶ月 6ヶ月
AIアプリ開発 528,000円 858,000円
データ分析 528,000円 858,000円
自然言語処理 528,000円 858,000円
処理
E資格対策 327,800円
機械学習マスター 528,000円 858,000円
ビジネスAI活用 330,000円
組織を変えるDX 330,000円

※2023年5月時点
出典:製品と価格 | Aidemy | 10秒で始めるAIプログラミング学習サービスAidemy[アイデミー]

ただし、「AIアプリ開発」「データ分析」「自然言語処理」「E資格対策」に関しては、教育訓練給付金最大70%割引の対象内です。
「528,000円」は「158,400円」に、「327,800円」は「98,340円」にまで下がるため、非常にお得といえます。

「統計学をWebマーケティングに生かす」というよりも、「ディープラーニングやPythonなどを使って働きたい」というエンジニア志望者の方におすすめの講座といえます。

Aidemyまとめ

  • 受講料:買い切り型・30万円程度~(給付金で10万円程度~)
  • メリット:プランを選べる、数か月でエンジニアになれる
  • デメリット:講師が現役のAIエンジニアでない、受講料が高い(給付金で70%割引)
  • おすすめの人:サポート付きでAIに用いる統計学を効率的に勉強したい人

期間にはよりますが、無料の個別面談や無料で10講座を受けられるキャンペーンも行っているため、一度試してみてはいかがでしょうか。

Aidemyの公式サイトはこちら

テックアカデミー

テックアカデミー(AIコース)テックアカデミーのAIコースは、Aidemyと同様、AIエンジニアを目指すために作られたオンライン講座です。

Aidemyの「3ヶ月:50万円程度」と比べると、料金が6割ほどです。

受講料自体は高いものの、比較的リーズナブルといえます。

社会人 学生
1ヶ月 174,900円 163,900円
2ヶ月 229,900円 196,900円
3ヶ月 284,900円 229,900円
4ヶ月 339,900円 262,900円

※2023年5月時点 出典:Python+AIセット | テックアカデミー

また、教育訓練給付金最大70%割引の対象内になるため、下記の通り、さらに価格が低くなります。

社会人 学生
1ヶ月 52,470円 49,170円
2ヶ月 68,970円 59,070円
3ヶ月 85,470円 68,970円
4ヶ月 101,970円 78,870円

さらに、講師は現役エンジニアの方である点も、テックアカデミーの魅力です。

統計学の学習だけでなく、「データサイエンティストになりたい」という本気度の高い方にはおすすめの講座です。

テックアカデミーまとめ

  • 受講料:買い切り型・15万円程度~(給付金で5万円程度~)
  • メリット:講師が現役エンジニア、プランを選べる、数か月でエンジニアになれる
  • デメリット:受講料がやや高い(給付金で70%割引)
  • おすすめの人:データサイエンティストやAIエンジニアになりたい人

テックアカデミー(AIコース)の公式サイトはこちら

PyQ(パイキュー)

PyQ(パイキュー)PyQは、統計学では必須の言語であるPythonを学べるオンライン講座サービスです。
PyQの良さは受講ハードルの低さです。

受講プランは月3,040円の独学プランと、月8,130円の質問対応付プランの2種類。網羅性も高く、Pythonエンジニアが多用するDjangoも受講範囲に含まれています。

  • プログラミングの基本
  • Python入門〜中級
  • ユニットテスト、設計
  • Webアプリ開発
  • Django
  • スクレイピング
  • データ分析
  • 機械学習
  • 統計入門
  • アルゴリズム

統計学がメインではありませんが、Pythonで用いられる基本的な統計処理は学べます。

(一例)

  • サンプリング
  • 仮説検定
  • 決定木分析・ランダムフォレスト
  • 回帰分析

さらに、クエスト形式でクリアすれば、次に進めるといった挫折しない設計を工夫している点も魅力です。

デメリットとしては、受講ハードルの低さゆえに起こる「エンジニア特有の苦労」を経験できないことですが、Pythonで統計を学習したい人にとってはデメリットにはなりません。

  • 受講料:継続型月額3,000円~8,000円程度
  • メリット:受講ハードルが低い(受講料低額・環境構築不要・質問対応有・クエスト形式)
  • デメリット:プログラミング特有の負担(環境構築・エラー対応)を経験できない
  • おすすめの人:サポート付きでAIに用いる統計学を手軽に勉強したい人

PyQの公式サイトはこちら

スタアカ(スタビジアカデミー)

スタアカ(スタビジアカデミースタアカは、現役データサイエンティストが独自で開発したオンライン講座サービスです。

現場の方が基礎から応用まで、より実践に即した講座を作っています。

スタアカは「業界最安値」の講座といえます。選べる3つのプランは以下のとおりです。

料金
ライトプラン 980円
プレミアムプラン 89,800円
オーダーメイドプラン 29,800円

※2023年5月時点 出典:スタアカ | AIデータサイエンス特化スクール

ライトプランは「全コースし放題」のみですが、アニメーションを用いた動画教材だけでも十分コンテンツとして価値があるでしょう。

プレミアムプランも買い切りで、質問対応も含めてサポートしてもらえるため、もしも本格的に統計学を学習したい方には、おすすめの講座です。

スタアカまとめ

  • 受講料:継続型月額1,000円~・買い切り型9万円程度~
  • メリット:現役データサイエンティストが作成した良質な動画教材、ライトプランの価格が手頃
  • デメリット:転職・就職のサポートはない
  • おすすめの人:安く手軽に統計学を勉強したい人

スタアカの公式サイトはこちら

統計数理研究所

統計数理研究所統計数理研究所とは、文科省直轄の研究所として1944年に設立された歴史のある研究機関です。

当研究所では初級の公開講座が5,000円から不定期で開催されています。

アカデミックな視点から統計学を学びたい方にはおすすめです。

統計数理研究所まとめ

  • 受講料:買い切り型5,000円程度
  • メリット:大学教授・研究者からアカデミックな内容を直接学習できる
  • デメリット:ビジネスに特化していない
  • おすすめの人:統計学をより理論的に勉強したい人

統計数理研究所の公式サイトはこちら

統計学の時間|統計WEB

統計学の時間|統計WEB「統計学の時間」とは、統計学の用語が網羅されている無料のWebサイトです。

統計検定2級を目指している方向けに、図表や数式で分かりやすく解説しています。統計学を勉強する際、オンラインの辞書として活用するとよいでしょう。

統計数理研究所まとめ

  • 受講料:無料
  • メリット:統計学の用語を理解できる
  • デメリット:講座ではないため、単体の活用には不向き
  • おすすめの人:統計検定2級を勉強している人、Web上で統計学の用語を調べたい人

統計学の時間の公式サイトはこちら

SCHOO(スクー)

SCHOO(スクー)SCHOOとは、月額980円の有料動画プラットフォームです。

月額980円で統計学だけでなく、他の分野も学べます

2023年5月時点で「統計」というキーワードで47件の動画が出てきました。
「統計学をがっつり学ぶほどではなく、周辺知識を幅広く学習したい」という方におすすめです。

SCHOOまとめ

  • 受講料:継続型月額1,000円程度
  • メリット:手軽な金額で統計学を含めたさまざまな分野について学習できる
  • デメリット:統計学単体を学ぼうとすると網羅性に欠ける
  • おすすめの人:統計学のみならず幅広く学習したい人

SCHOOの公式サイトはこちら

\未経験・初心者から3ヶ月でプロのWebマーケター!/

Webマーケティングのために統計学を学ぶ方法③資格

資格取得とかかれた画像ここからは、統計学に関する資格に焦点を当てて紹介します。

資格については取得することがゴールになりやすいものの、合格という分かりやすいゴールに向かって学習意欲も継続しやすい点が特長です。自分に合った統計学の資格を取得しましょう。

統計学を学べる資格

※以下、料金表記は、すべて税込です。

統計検定

統計検定
統計検定は統計学の資格でもっとも有名です。そのため資格試験に合格すれば、転職・就職活動にも使えます。

等級も4級〜1級と幅広くあり、統計学初心者の方から現場のデータサイエンティストまで多様な方に対応しています。

また、別枠で設けられている「統計調査士」は統計学の基礎的な内容に加えて、ビジネスの現場に応用できる内容です。

高校数学の学習経験がある方であれば比較的取得しやすいことも特徴です。

ご興味がある方は、独学の指針としてぜひ取得を目指してはいかがでしょうか。
統計検定まとめ

  • 受検料:5,000円~1万円
  • 特徴:統計学のなかで最も有名な資格
  • 難易度:2級以降はやや高い
  • おすすめの人:統計学に特化して学習したい人

統計検定の公式サイトはこちら

データ解析士

データ解析士データ解析士は、統計検定でいうと準1級レベルにあたる、統計学の資格です。

統計検定準1級というと、合格率は2割程度と難易度が高く、数学レベルでいうと大学数学の応用レベル

最低4ヶ月(最高8ヶ月)で「多変量解析実務講座」を受け、提出した課題で合格かを判断されます。

項目 金額
入学金 5,000円
受講料 49,500円
質問対応 郵送1通15円

※2023年5月時点 出典:多変量解析実務講座 – 内閣府移行認可

受検料(入学金・受講料)は4ヶ月かけて5万円程度と考えると、比較的お手頃価格なのではないでしょうか。

ただし認知度が低いため、「統計学の資格を転職・就職に活かしたい」という方は、統計検定をおすすめします。

データ解析士まとめ

  • 受検料:5万円程度
  • 特徴:講座込・サポート付
  • 難易度:非常に高い
  • おすすめの人:統計学にある程度精通している人(統計検定準1級レベル)

データ解析士(実務教育研究所)の公式サイトはこちら

ウェブ解析士

ウェブ解析士ウェブ解析士は、統計学というよりもウェブマーケティング全般の知識を広く習得したい方におすすめです。

項目 受検料
初級ウェブ解析士 17,600円
上級ウェブ解析士 88,000円(講座込)
ウェブ解析士マスター 3つのコース(講座込)

①マクロ解析レポート
:110,000円

②ミクロ解析レポート
:110,000円

③講師養成
:220,000円

年間更新料 6,600円

※2023年5月時点 出典:ウェブ解析士とは

初級→上級→マスターの順に受検できます。

上級では2ヶ月程度の講座と課題があり、実際の解析・戦略立案を行います。

マスターはウェブ解析士でいうと講師レベルの資格です。合格者数も2010年から始まった資格ですが2023年5月時点ではわずか100人少々、合格率も10~40%と幅があり、難易度が高いといえます。

上級ウェブ解析士に関して言うと、Webマーケティングの資格としては、課題をこなす際に労力がかかるため、一定の評価がされていることも事実です。

ウェブ解析士まとめ

    • 受検料:2万円程度~
  • 特徴:Webマーケティングの資格では一定の評価を得ている
  • 難易度:等級によってさまざま
  • おすすめの人:統計学というよりもWebマーケティングを広く学習したい人

ウェブ解析士の公式サイトはこちら

ビジネス統計スペシャリスト

ビジネス統計スペシャリストビジネス統計スペシャリストは、名前の通りビジネスに特化した統計学の資格です。

特に、Excelに応用する前提で試験範囲が組まれています。2種類の資格があり、詳細は以下のとおりです。

受験料 難易度
エクセル分析ベーシック 6,600円 統計検定3級
エクセル分析スペシャリスト 10,780円 統計検定2級

※2023年5月時点 出典:ビジネス統計スペシャリスト

出題範囲は、エクセル分析スペシャリストだと難しくても仮説検定や回帰分析程度です。
そのため、統計学の基礎をビジネス、Webマーケティングにこれから応用したいと考える人にはおすすめです。

ビジネス統計スペシャリストまとめ

  • 受検料:1万円前後
  • 特徴:Excelへの応用に特化している
  • 難易度:統計検定2~3級
  • おすすめの人:これから統計学の実務を始めたい人

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Webアナリスト検定

Webアナリスト検定Webアナリスト検定は、Web上におけるアクセス解析の基礎を問われる資格です。

前述したウェブ解析士と同様、統計学というよりもWebマーケティングに関する分析を主軸に置いています。

またウェブ解析士よりも簡易な点が特長で、ウェブ解析士でもやや難しい方や、Webマーケティングのとっかかりとして選ぶことがおすすめです。

Webアナリスト検定まとめ

  • 受検料:17,600円
  • 特徴:Webのアクセス解析に関する基礎中の基礎
  • 難易度:やや簡易
  • おすすめの人:Webマーケティングの入門者

Webアナリスト検定の公式サイトはこちら

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Webマーケティング・統計学に関連したよくある質問

FAQWebマーケティングのアクセス解析では、数字の分析が欠かせません。

ここでは統計学にかかわらず、理系分野がネックになるとお考えのWebマーケター向けに2つの疑問に回答します。

Webマーケティングに文系・理系は関係がありますか?

直接的には関係ありませんが、文系・理系の活躍できる内容が利用シーンによって異なります。

文系:共感能力をもとに社内外の折衝、アイデアやコピーの作成
理系:データ分析・論理的な考察

統計学は言うまでもなく、理系の分野ではあります。

ただし、文理どちらの観点もWebマーケティングの現場で役立つスキルのため、持っていなくても社会人になってからでも身に付けることをおすすめします。

Webマーケティングに数学の知識は必要でしょうか?

基本的には不要です。

ただし、Webマーケティング全般の知識を得たい、特にデータサイエンスや統計分析を取り入れたい方にはある程度必要です。

統計学の勉強には、高校数学レベルの知識(数列や微積分)が出てきます。

後述しますが、統計検定2級のように、突き詰めると大学数学の知識(線形代数)が一部求められます。

もしも、統計学を分析したい方は、リスキリングとして高校数学を学ぶとよいでしょう。

Webマーケティング担当者は統計の資格を取る必要がありますか?

全員が必要とはいえませんので、統計の資格を取ることがおすすめな人を以下に紹介します。

  • 「資格試験合格」という分かりやすい目標で統計学の学習モチベーションを上げたい人
  • Web上の解析精度をさらに深めたい人
  • データサイエンティストのキャリアを検討している人

逆に言うと、独学のスキルが高い人や、教養として統計学を勉強したい人は、本や講座でも十分といえます。

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Webマーケティングに統計学を取り入れてキャリアを強化させよう

ビジネスの現場のイメージここまで、Webマーケティングと統計学の関係性について紹介しました。

統計学をWebマーケティングに取り入れれば、自身のキャリアをさらに強化できるでしょう。

今回紹介した学習方法を参考にして、自身のキャリアにお役立てください。

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この記事を書いた人
津田雄大
12期生。関西学院大学卒業→ラーメン屋→ラーメンブログ→Webライター6年目。大手〜中小企業、マーケティングや金融、サイエンス、DX、プログラミング、人材、製造業、BPOなど様々なジャンルの執筆・記事ディレクション・育成経験有。
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